**** 2009/06/17 ******************************************** ☆★ EE Club mail magazine ★☆ ~英語を“楽習”しましょ~ ******************************************* 第107号!**** 全国各地で梅雨入りし、じめじめした日が続きますね。外回りに はつらい時期です。 折りたたみ傘を忘れず携帯しましょう! http://ee.asahipress.com/ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ contents ━━━━ 【1】 大好評シリーズ、第三弾発売中! 【2】 鴻巣友季子さん、インタビュー裏話 【3】 連載= Express Yourself KYな英語 【4】 あとがき ♯三沢さんの死を悼む ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 【1】 大好評シリーズ、第三弾発売中! □『怖い絵3』   中野京子=著  定価1,890円 ― 読者の期待に応え、さらに怖い、待望の第三弾! 西洋名画に秘められた恐るべき怨念・冷酷・非情を、歴史の裏の裏 まで知り尽くした著者が、鮮やかな筆致でとき明かす、知的でスリ リングな美術エッセイ。「絵ってすごい」と各メディア、大絶賛! ⇒ http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255004808/ 大┃増┃刷┃出┃来┃ ━┛━┛━┛━┛━┛ □『怖い絵2』   中野京子=著  定価1,890円 ⇒ http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255004273/ □『怖い絵』   中野京子=著  定価1,890円 ⇒ http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255003993/ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 鴻巣友季子さん、インタビュー裏話 EE7月号の巻頭インタビューのゲストは、翻訳家・エッセイストの 鴻巣友季子さんです。 6年前、多大な決意で臨んだ『嵐が丘』の 新訳は大きな話題を呼び、今回は、難解なヴァージニア・ウルフの 『灯台へ』の新訳と、手ごわい翻訳が続いていますが、19歳で文芸 翻訳家になると決意して、それを実現し、着実に重ねてきた実力を 買われてのことです。 近年は翻訳だけでなく、定評のある文章でつづったエッセイや文芸 評論でも注目を集め、作家としても活躍中です。小学校4年から英 語の読み書きを始め、面白くてしょうがなかったという鴻巣さんの “聞いてびっくり英語学習体験”は本誌で収録していますのでぜひ ご一読を。 ここでは、鴻巣さんの優秀さを語るエピソードや翻訳中の不思議な 状態をご紹介しましょう。 …………………………… (以下、鴻巣友季子さんインタビュー) 昔、ナディア・コマネチという体操の選手がいましたでしょう? 彼女の伝記を読んだら、子どものころから運動神経がよくて、男子 とサッカーをやっても、周りがスローモーションで動いて見えたほ どだったそうです。 私の英語力は、そんなすごい域にはいっていませんが、学校の英語 の勉強には苦労したことはありませんでした。けれども、自分のや りたい英語とは何か違うなあ、という気持ちがずっとありました。 だから職業に結びつくような勉強を早くやりたかったですね。 翻訳家の話で、乗っているときは、原書からいきなり日本語の声が 聞こえてくるというようなことをよく聞きます。私もたまにありま す。でも自分では、翻訳している最中って、よくわからないんです よね。何をしていたのかよく思い出せない。憑依(ひょうい)する というと大げさだけれど、何かに取りつかれたような感じはありま すね。できた訳書を読むと、自分がやったとは信じられない。 だから、どうやったらうまく訳せるかという技巧的なことはわから ないですね。忘れちゃうし。ここはわかりやすく訳しておかないと 後々読者は困るだろうな、みたいなことは考えますけど。 ★…---…---…---…---…---…---…---…---…---☆ CNN ENGLISH EXPRESS のホームページ! 英語上達に効果抜群のコンテンツが盛りだくさん! http://ee.asahipress.com/ ☆…---…---…---…---…---…---…---…---…---★ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 連載= Express Yourself      <ビミョ~>な日本語、英語で言ってみよう! 〔 第67回 ★ KYな英語〕 KY。もともとは「ギャル語」として産声をあげたこの省略語も、い つしか政治家などがひんぱんに使い出し、関連書籍が相次いで出版 され、日本語として市民権を得た感があります。 「KY=空気読めない」を直訳すると: ┌───────────────────────────── Can't read the spirit of the air. └───────────────────────────── となります。これでも通じますが、「場の雰囲気からズレている」 ことを批判的に捉えて言う「KY」の独特な性格を外国の方に説明す るとすれば次のように言うとよいでしょう: ┌───────────────────────────── has no sense of what is appropriate (何が適切なことかの感覚が無い) └───────────────────────────── 「場にそぐわない」という意味での「不適切な発言」は、「KY」に 近いものがありますね。 この「KY」、 諸説ありますが、 渋谷を中心にした若者のヒップ・ ホップ ・ カルチャーから生まれたと言われています。アメリカの ラップには、頭文字を取って作られる隠語が頻繁に登場します。文 化的起源を探ると、こうした隠語はアフリカン・アメリカン文化に 連綿と流れる伝統からくるもので、奴隷制時代に奴隷同士が主人に わからないような暗号を使ったところから来たという説があります。 90年代を代表するジャマイカ系アメリカ人(ジャマイカには独自 の隠語文化がありますが……)のラッパー「ケアレスワン」もこの 隠語を使ったアーティスト名で、表記は、「KRS-One」です。 「ケ アレスな人」という意味をかけた「シャレ」の効いた名前と言える でしょう。 また、「秘密にしておけ」という意味で という俗語 表現があります。これは =「低いレベルに情報を留 めておけ」 というところから来ています。 「頭文字」を取った隠 語には非常に長い歴史があり、今も世界中で新しい隠語が生み出さ れつづけています。 日本でも、戦前からアルファベットの頭文字を使った隠語は存在し たようです。それが、あらためて現代日本ギャルズの間で花開いて いるのは、比較文化史的に言ってとてもダイナミックで、面白い現 象です。 せっかくですから、このKY、どうやって英語で表現できるか、挑戦 してみましょう。 まずは「空気」について。 直訳は air になりますが、英語の air にも「その場、人、物などの雰囲気、全体的な様子」という意味が あります。「物」では芸術作品などを評するときに使われます: ┌───────────────────────────── Picasso's early works 【have an air of】 profound sadness, especially during his 'Blue Period.' (ピカソの初期の作品は深い悲しみの【空気をまとっている】、特  に「青の時代」においては) └───────────────────────────── ・have an air of~ ~の空気をまとっている、~の雰囲気がある、           ~の雰囲気が漂っている 手では実際に捉えられない (=intangible) ような、漠然とした 「作品」あるいは「人」の「様子」というのは、西洋でも日本でも、 ただ「空気 (air)」としか表現のしようがないと感じられてきた ものなのかもしれません。英語でも、人に関しても同様に使われま すが、 ただ単に「その人の雰囲気」では無く、 何か「特徴的な」 雰囲気がある場合に用いられます: ┌───────────────────────────── Lindsay Lohan is a complex personality who has the 【air】 of a little girl and a grown-up woman. (リンジー・ローハンは少女とオトナの女性の【雰囲気】をあわせ  持つ複雑な人物だ) └───────────────────────────── 英語の は日本語の 「空気」 と違って、 何か特別な「オー ラ」 のように、より特徴のある 「空気」 です。それは air が、 ギリシャ時代から世界を構成する基礎となる四大元素( 風、 火、 水、土)の一つとして考えられてきたことと関係があるかもしれま せん。「風・空気」は単なる自然現象ではなく日本語の「気」のよ うに、神聖なものとして捉えられてきた歴史があるのです。英語で は、 が「多すぎる」ことをネガティブに捉える表現がありま すが、 これは が元々「エネルギー」のようなものだと考え られていたことが背景にあるのではないでしょうか。 例えば、・複数形の「空気」を身にまとうことは、気取って いる、取り澄ました態度、高慢である、という意味になります: ┌───────────────────────────── The Duchess of Devonshire was famous for 【putting on airs】, but for her social prestige and glamorous fashion, she was seen as the only lady in the whole of Great Britain allowed to assume 【airs】. (デヴォンシャー公爵夫人は【気取っている】と有名だったが、彼  女の社会的権威と豪奢なファッションによって、イギリス全土の  中でも【高慢ちき】で許されるたった一人の女性として見られて  いた) └───────────────────────────── ・assume, give oneself, put on, acquire + airs  気取る、もったいぶる、取り澄ます、高慢 「高慢・気取る」=put on airs はある種の「KYな人物」と言える でしょう。ただ、上の例文のようなケースの は、「個人が まとう空気」であって、複数の人が共有する「場の空気」ではあり ません。 やはり、ストレートに を「KY」に適用するのは難 しいようです。 あえて を使うのであれば、こう言うことができます: ┌───────────────────────────── (He/She/Someone)has no feeling for what is in the 【air】. (直訳:【空気】の中にあるものを感じ取ることができない) └───────────────────────────── ただこれは英語としてはあまり一般的ではありません。「空気」に こだわらなければ、「KY」的な「空気」をまとった英語表現は、実 はたくさんあるんです。 次回はいよいよKYな英語が続々登場いたしますのでKG! (=Kou Gokitai). ◇◆執筆者プロフィール◇七尾藍佳◇◆ 日本テレビ系列、『NEWS ZERO』フィールドキャスター。 2002年東京大学教養学部卒。 1978年ワシントンDC生まれ。 東京大学在学中には、チリ、カトリカ大学へ交換留学。 公式ブログ→ http://ameblo.jp/nanao-aika/ ウェブコラム「Salut!」→ http://www.bloomingmarket.com/ (リンク先ページ左下【Salut! Nana's Fashion Tribute】より) 公式ホームページ→ http://www.blooming-net.com/ 新メルマガ「七尾藍佳の最強恋愛論」 → http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/78/P0007808.html ◆当連載へのご意見・ご感想は下記までお寄せください。  → nihongi★asahipress.com   ( お手数ですが、★を@ に変えてお送り下さい) ◇『Express Youself』WEB 版はこちら【◎ URLが変わりました!】  → http://blog.asahipress.com/express_yourself/ ☆ CNN.co.jp ☆‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥☆ CNN.co.jp ☆ CNNの最新ニュース、話題の事件、こぼれ話などを配信中! http://www.cnn.co.jp >>ブログやホームページに貼り付けてCNN最新ニュースを 受け取れるウィジェットサービスも開始! http://www.cnn.co.jp/widget/instruction.html ☆ CNN.co.jp ☆‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥☆ CNN.co.jp ☆ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 あとがき プロレスラーの三沢光晴さんが亡くなりました。試合中に意識を 失い、そのまま帰らぬ人となったことに、ショックを隠せません。 三沢選手といえばリング上でのストイックな闘いぶりが頭に浮か びますが、時折出演するバラエティー番組での愛嬌のある笑顔が 印象的でした。 中学校の頃にファンになって以降、活躍ぶりをいつも楽しみにし ていました。最近、試合を見ていないなと思っていた矢先に飛び こんだ訃報。とても信じられなく、いまも空虚感でいっぱいです。 プロレスが元気なときも、人気低迷にあえいだときも、常に第一 線でひっぱりつづけた三沢さん。今後のビジョンも描いていたは ずなのに、残念でなりません。 いまはご冥福をお祈りするばかりです。(橋) □■ Rest in Peace ・・・ 『理想主義者』 http://www.amazon.co.jp/dp/4777050475 --------------------- ◆次号は7月1日配信予定です。 ◆当メルマガへのご意見・ご感想は担当の橋本までお寄せください。 → hashimoto@asahipress.com ◆バックナンバーはこちら → http://ee.asahipress.com/eeclub/easy.html ────────────────────────────── メルマガの『文字や記号がずれて読みづらい』方は・・ Outlook Express をお使いの場合、 (オプション)-(読み取り)-(フォント) で[MS明朝]や[MSゴシック]に設定して下さい。Mac や他のメー ラーをお使いの場合Osaka等幅など「等幅フォント」をお勧めします。 ────────────────────────────── ◆当メールは、EE Club にご登録いただき、配信を希望された方に 配信しています。 当メールの配信先変更/配信中止は、下記 URL よりログインして いただき、「会員情報変更」にてお願いします。 https://club.asahipress.com/ 朝日出版社:営業部 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-3-5 TEL  :03-3263-3321 FAX  :03-5226-9599 E-MAIL:eeclub@asahipress.com http://www.asahipress.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━