**** 2011/06/15 ******************************************** ☆★ EE Club mail magazine ★☆ ~英語を“楽習”しましょ~ ******************************************* 第154号!**** この間の日曜日に、英検の一次試験が行われました。受験された 方は合否が気になるところでしょう。いい結果が出ますことを…。 http://ee.asahipress.com/?uiaid=easy1 ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ contents ━━━━ 【1】 売行き良好書のご案内 【2】 寺門和夫さん、インタビュー裏話 【3】 連載= Empire State of Mind ―― NYから英語小話 【4】 あとがき ♯脱・補助輪へ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 【1】 売行き良好書のご案内 □[生声CD&電子書籍版付き] 『インタビューズ――ラリー・キング・ライブ・ファイナル』 定価 1,260円 http://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255005850/?uiaid=e12 CNN の看板番組「ラリー・キング・ライブ」の25年にわたる歴史の 中から、生声を選りすぐって収録。トークの帝王として世界中の視 聴者を魅了したラリー・キングの話術や超一流ゲストたちの語りは、 迫力と面白さと知的刺激に満ちており、まさに最高のリスニング素 材! ………………………………… □[CD&電子書籍版付き]  『CNNニュース・リスニング 2011[春]』 定価 1,050円(税込) http://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255005713/?uiaid=e13 ―1本30秒のニュースで素早く世界を知る! 世界標準の英語が、だれでも聞き取れるようになる[30秒×3回 聞き]方式。ナチュラル、ゆっくり(ポーズ入り)、ゆっくり(ポ ーズなし)の3パターンで音声を収録。アメリカ英語(カナダ英語 を含む)、イギリス英語、オーストラリア英語のニュースをバラン スよく配分。シャドーイング、区切り聞き、サイトトランスレーシ ョンといった効果的学習法が簡単にできる! ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 寺門和夫さん、インタビュー裏話 EE7月号の巻頭インタビューは、科学ジャーナリストの寺門和夫さ んです。寺門さんは30年以上にわたり、科学分野の第一線で取材や 編集を手がけてこられました。専門性が高い科学の世界で、宇宙開 発、天文、分子生物学、ゲノム科学、先端医学、地球環境問題、エ ネルギー問題、テクノロジーなど、ジャンルを超えて幅広い知識を 持ち、世界中の研究者とも広いネットワークを築かれています。 意外にもご自身は留学経験もなく、日本でのごく普通の英語教育を ベースに、仕事を通じて英語を身につけていったそうです。 本誌では、研究者に必要とされる英語力や、寺門さんオススメの学 習法などをたっぷりと紹介しています。そしてメルマガ会員の皆さ んには、寺門さんの趣味である SF 映画のコレクションの話をお届 けします。 …………………………… (以下、寺門和夫さんインタビュー) 子供の頃からアメリカに憧れていました。1950年代のアメリカとい えば、エルヴィス・プレスリー、ジェームズ・ディーン、マリリン・ モンローなどが登場した古き良き時代でした。一方で大衆消費社会 が始まり、ロケットや原子力など新しい技術が生まれてきた時代で す。 この時代にB級映画と呼ばれる低予算の SF 映画がたくさん製作さ れました。実は私はそれをコレクションしていて、時間がある時に 見るのが趣味なんです。 ジョージ・ルーカスやスティーブン・スピルバーグもそういう映画 を見て育ったわけです。宇宙飛行がまだ始まる前ですから、みんな 自分のイメージで映画をつくっていたのですが、そのイメージがす ごく大事なんです。のちにハリウッドでつくられる SF 映画の有名 なシーンの原型が50年代の映画に見つかるんですね。 例えば、『2001年宇宙の旅』の冒頭の宇宙ステーションのシーンと か、『エイリアン』の洞窟の中に卵がいっぱいあるシーンなどのア イデアにつながっていると思います。『禁断の惑星』や『宇宙水爆 戦』などはこの時代の傑作ですが、ほかにも『金星人地球を征服』 とか『暗闇の悪魔』といった、今ではくだらないと思われているけ れども愛すべき作品がたくさんありますよ。 ★…---…---…---…---…---…---…---…---…---☆ CNN ENGLISH EXPRESS のホームページ! 英語上達に効果抜群のコンテンツが盛りだくさん! http://ee.asahipress.com/?uiaid=easy1 ☆…---…---…---…---…---…---…---…---…---★ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 連載= Empire State of Mind ―― NYから英語小話                        執筆/大原ケイ [#02] お偉いさんのセックス・スキャンダル続き このところ、 ニューヨークで話題になった事件といえば、 IMF (国際通貨基金)の専務理事ドミニク・ストロス=カーンが、 滞在 先のホテルで部屋の掃除に来たメイドにわいせつ行為を働いたカド で逮捕された件でしょう。 ▽────────────────────────────▽ Mr. Strauss-Kahn, 62, who was widely expected to become the Socialist candidate for the French presidency, was apprehended by detectives of the Port Authority of New York and New Jersey in the first-class section of the jetliner, and immediately turned over to detectives from the Midtown South Precinct, officials said. ストロス=カーン氏(62)は、 次期フランス大統領選の社会  党候補になるものと一般にみなされていた人物だが、ジェット  機のファーストクラス内でニューヨーク・ニュージャージー港  湾局の捜査員に逮捕されたのち、直ちに南ミッドタウン署の捜  査員に引き渡された、と当局者は語っている。 △────────────────────────────△ ・ be expected to: ~して当然と思われる、~するはずだ ・ candidate: 候補者 ・ detective: 刑事、探偵 ・ turn over A to B: AをBに引き渡す、譲渡する ・ precinct: 警察管区、(警察管区内の)警察署  [出典] The New York Times. May 14, 2011      http://nyti.ms/mPUgM9 【apprehend】は「~を逮捕する」という意味で、arrest, collar, detain, take [someone] into custody なども同義語です。 ニューヨークの空港やバスターミナルはドラマ『NYPDブルー』 でお馴染みのニューヨーク市警ではなく、Port Authority(港湾管 理委員会、港湾局)の管轄下なので、実際に逮捕したのはポート・ オーソリティー警察で、その後、南ミッドタウンの警察署に引き渡 された、となっていますね。 ヨーロッパの経済を動かす影響力を持ち、フランスでも次期大統領 選の有力候補とされていたひとかどの人物が、マンハッタンの高級 ホテルの1泊30万円近いスイートルームから、ドラッグディーラ ーや殺人犯も収監されているライカーズ島に連れて行かれたことに、 ショックを受けた人は多かったことでしょう。 ちなみに、【牢屋】って日英ともに類義語・隠語が多い言葉ですね。 prison, jailhouse, slammer, cell, pen, pound, penitentiary, detention camp, lockup などなど、他にもまだありそうです。 【broadsheet】([タブロイド紙に対して] 普通サイズの新聞、すな わち高級紙)と呼ばれるニューヨーク・タイムズやウォールストリ ート・ジャーナルなどが今後の世界経済やフランスの大統領選への 影響を論じたかと思えば、ニューヨーク・ポストやデイリー・ニュ ースなど、もっと下世話な【tabloid】(タブロイド紙)は詳細なゴ シップを伝えており、大騒ぎでした。 フランスでは、まだ有罪と決まっていない人が手錠をかけられた姿 や法廷での様子をニュースで流すのは見せしめのようでよくないと 禁じられているようですが、アメリカでは、警察の手柄を誇示する 意味もあって、容疑者を捕まえると顔を隠せない状態で報道陣の前 に引き出します。 これを【perp walk】といいますが、 この perp は perpetrator(加害者、容疑者)の略です。 警察の人が使うスラングでよく知られているのは、無線でやり取り するときの符号の【10-4】(テンフォー;「了解」の意)でしょう。 police radio code(警察無線コード)で検索すると、10 のついた 用語集がずらっと出てきます。 また、スラングといえば、driving while intoxicated(DWI; 酔っ払い運転)を意味する【dee wee】 や、 盗難車を買い取ってパーツにする店を指す【chop shop】は、 警察官でなくても使います。 私がつい最近、初めて聞いた表現が【lush worker】でした。 周り のアメリカ人に訊(き)いても知らない人が多かったこの言葉、週 末の深夜に酔いつぶれた人 (lush には「酔っ払い」という意味が ある)を狙うスリ・かっぱらいのことだそうです。 ストロス=カーンの「わいせつ行為」にしても、 本人は無罪を主張 しており、これから行われる裁判でどこまで立証されるかが焦点に なります。わいせつ行為を表す英語を参考までにいくつか挙げてみ ます。 【rape】  強姦 【sexual assault】 性的暴力 【sexual abuse】 性的嫌がらせ 【grope】  痴漢行為を行う 【sodomize】  アナルセックスを強要する 【flasher】  いわゆる「見せる」痴漢 【extramarital affair】 不倫 今回の事件で、アメリカとフランスにおける、セクハラ問題や職場 での男女関係に対する意識の違いが浮き彫りになりました。フラン スでは職場でもプライベートでも男女が関係を持つこと自体には鷹 揚(おうよう)だと言われてきました。故ミッテラン前大統領のよ うな政治家に愛人がいることが容認されていたところなど、一昔前 まで日本の政治家が芸者を囲っていても問題にならなかったところ と通じるものがあります。ニューヨーク・タイムズも次のように報 じていました。 ▽────────────────────────────▽ The case has also sharpened the debate here about a French way of life, one of tolerance for a male-centric attitude in gender relations, an acceptance of all but the most egregious sexual assaults on women and a reluctance by the authorities to intervene, particularly in cases involving the powerful. また、この事件によって、ここフランスではさらに活発な議論  が交わされるようになっているが、論じられているのはフラン  スの生活様式や、男女関係でみられる男尊女卑的な態度に対す  る寛容さ、最悪でさえなければ女性に対する大概のセクハラは  容認されること、そして当局が介入したがらない、特に権力者  層が絡んでいる場合に介入したがらないこと、などだ。 △────────────────────────────△ ・ tolerance: 寛容、寛大 ・ acceptance: 受入れ、容認 ・ all but: ~のほかは全部、~以外はすべて ・ egregious: 実にひどい、言語道断な ・ reluctance: 気が進まないこと、しぶること ・ intervene: ~に介入する、干渉する  [出典] The New York Times. June 6, 2011      http://nyti.ms/luddbM 【sharpen the debate】は「さらに活発な議論が交わされるように なる」ということで、 【male-centric attitude】は「男尊女卑的 な対応」を、【the powerful】は「権力のある人たち」を指します。 公私混同しない限りは男女がお互いを意識しながら仕事をするのは 構わないという風潮ですが、日本語に訳し切れない言葉に【flirt】 というのがあります。「(異性と)ふざける、いちゃつく」などと 訳されますが、どうもニュアンスが違う気がします。例えばオフィ スで、同性から嫌われながらも男性の前では天然を装うブリッ子が 行っている行為が、正に flirt にあたります。 男性だと、女性の 容姿や服装を褒めたり、からかったりというのもそうです。ただ、 flirt はよくても、 一歩間違うとセクハラ(sexual harassment) になってしまうから難しいわけです。 ▽────────────────────────────▽ “A womanizer is more acceptable in France,” she said. “It's kind of considered good health and vigor, which is different from Americans, who are more puritanical. But violence against women is very different.” 「女たらしは、フランスでは比較的容認されています」と彼女  は語った。「女たらしだってことは健康で元気だってことだ、 と見なされるところがあるんですが、 それはアメリカ人と違 いますよね、アメリカ人はもっと禁欲的ですから。 でも、女 性に対する暴力となったら話が全然違います」。 △────────────────────────────△ ・ womanizer: 女たらし ・ kind of: 多少、ちょっと ・ vigor: 元気、精力 ・ puritanical: 清教徒的な、禁欲的な  [出典] The New York Times. May 29, 2011      http://nyti.ms/lz4MBK 今回のストロス=カーンの事件がきっかけで、 フランスでも性犯罪 が厳しく罰せられることを望むフェミニストも多いようです。アメ リカは基本的にピューリタン(清教徒)が建国した国なので、こう いった性的スキャンダルは厳しく追及され、政治家にとって命取り になることが多いのですが、だからといってセックス・スキャンダ ルが少ないかというと、全くそうではありません。 前カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーに妻 妾同居の隠し子がいたことがすっぱ抜かれたばかりですし、ストロ ス=カーンの裁判が始まらないうちに、 今度は地元ニューヨーク選 出の下院議員アンソニー・ウィーナーが、既婚者であるにもかかわ らず、自分の裸や下着姿の写真をツイッターで複数の女性に送りつ け、flirt していたことからてんやわんやの騒ぎです。 たまたま彼の名前が「ウィンナー」(男性器の隠語)だったことも あり、皆笑いを禁じ得ず、ゴシップ好きのタブロイド紙はここぞと ばかりに、ウォーターゲート事件にひっかけて「ウィーナーゲート (Weinergate)」と呼んで連日この事件を追っています。 実際には写真をやり取りした女性と会ってもいないので、どこまで 処罰されるのかわかりませんが、民主党はさっそく倫理委員会の調 査を始めました。どうしてこう男性というのは、危険を承知で危な い橋を渡りたがるのでしょうね? しかも既にそれなりの地位や知 名度をもった女性を妻にしている人が多いのもなぜなのでしょう? ところで! 日本人が書く英語に多用されている “  ”(カギ括 弧)ですが、これは英語の quotation mark という名前の通り、誰 かの発言を引用するときにのみ使います。日本語だと造語や目立た せたいキーワード、あるいは日本語をそのままローマ字にした言葉 にも使ってしまいがちですが、これは間違いです。単語や文節を強 調したいときは、大文字にしたり、イタリックにするなどの他の方 法で! |||--□■ 大原ケイ・OHARA Kay ■□--||| NYはマンハッタン在住の文芸エージェント。自称・元祖帰国子女。 アメリカの書籍出版業界の裏表に通じるが、特に電子書籍事情に詳 しく、各種メディアに寄稿。NYのローカルネタ、ネコ画像、全米 の馬鹿ニュース、日米文化比較、ネイティブの英語などにも日々、 関心を払っている。 近著は『ルポ 電子書籍大国アメリカ』 (アスキー新書) 。 ツイッター→ http://twitter.com/Lingualina ブログ→ http://oharakay.com ◆当連載へのご意見・ご感想は下記までお寄せください。  → yamamotoy☆asahipress.com   (お手数ですが、☆ を @ に変えてお送りください) ☆ CNN.co.jp ☆‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥☆ CNN.co.jp ☆ CNNの最新ニュース、話題の事件、こぼれ話などを配信中! http://www.cnn.co.jp ☆ CNN.co.jp ☆‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥☆ CNN.co.jp ☆ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 あとがき 先日、4歳になる娘が「自転車の補助輪を外す」と突如言い 出しました。仲のいい友達が補助輪なしで乗りこなしている からかなと思い、じゃあ練習しますかと。 補助輪を外し、サドルに座らせたところまではいいものの、 さぁどう教えたらいいものかとしばし腕組み。 まずは漕がずに歩いてみようとか、下り坂でやってみようと か試行錯誤したものの、教え方が悪いのか、まったく上手く いかず親子でしょんぼりしてしまいました。 結局その日は30分も集中が続かず、また来週やってみよう かねと背中を丸めて家に入りました。 しかし、自転車に乗れるようになった時の記憶というか感覚 というか、二十数年前のことながら鮮明に残っています。 早くあの感じを体験させてあげたいな。(橋) □■今号の一冊・・・ 『マンガでみるスポーツ科学 速く走るコツ』 http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255005683/?uiaid=easy5 --------------------- ◆次号は7月6日配信予定です。 ◆当メルマガへのご意見・ご感想は以下アドレスにお寄せください。 → eeclub@asahipress.com ◆バックナンバーはこちら → http://ee.asahipress.com/eeclub/easy.html?uiaid=easy4 ────────────────────────────── メルマガの『文字や記号がずれて読みづらい』方は・・ Outlook Express をお使いの場合、 (オプション)-(読み取り)-(フォント) で[MS明朝]や[MSゴシック]に設定して下さい。Mac や他のメー ラーをお使いの場合Osaka等幅など「等幅フォント」をお勧めします。 ────────────────────────────── 朝日出版社:営業部 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-3-5 TEL  :03-3263-3321 FAX  :03-5226-9599 E-MAIL:eeclub@asahipress.com http://www.asahipress.com/?uiaid=easy0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━