**** 2006/12/20 ******************************************** ☆★ EE Club mail magazine ★☆ ~英語を“楽習”しましょ~ ******************************************** 第47号!***** 今年も残すところ十日あまり。年内は今号で最終号となります。 感染症が流行っていますので、体調には十分気をつけましょう! http://www.asahipress.com/ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ contents ━━━━ 【1】 英語新刊、続々発売! 【2】 相原真理子さん、インタビュー裏話 【3】 連載= Express Yourself 【4】 あとがき ♯一年を振り返って ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 【1】 英語新刊、続々発売!  <最新刊> □『英語は楽しく使うもの   インターネットが可能にした最新英語習得法』   松本青也=著 定価1,260円(本体1,200円+税) ⇒http://www.asahipress.com/2006/enjoy.html The Japan Times、BBC、VOA、CNN などを通して “楽習”すれば、毎日飽きずに英語が使えるようになる! □『ハーバード流英訳術 パックンの中吊り英作文』   パトリック・ハーラン=著   定価1,029円(本体980円+税)   ⇒http://www.asahipress.com/2006/pakun.html あの事件、こんな話題…中吊りみんなまとめて英作文!  <好評メルマガの書籍化!> □『情報通になるための英語 新語・流行語ハンドブック』   英語新語研究会=編[代表 宮本倫好] 定価1,575円(本体1,500円+税)   ⇒http://www.asahipress.com/2006/trendy.html   辞書に載っていないホットな英語が満載!とびきり新鮮な 言い回しから、世相を映し出す時事・科学・経済用語など、   徹底収録! □『笑うネイティブ』 宮本倫好=著 定価1,260円(本体1,200円+税)   ⇒http://www.asahipress.com/2006/warau.html ジョークでおさえる英語のツボ!爆笑ネタをたっぷり紹介 しながら飛躍的な英語力のアップをお手伝いします。 ◎EE Club 特別割引はこちら◎ ▼   ▼ https://club.asahipress.com/member/customer/member_enter.html ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 相原真理子さん、インタビュー裏話 EE1月号の巻頭インタビューは、パトリシア・コーンウェルの「検 屍官」シリーズの翻訳家としておなじみの相原真理子さんです。 仕事のスタートは、専業主婦時代軽い気持ちで始めた翻訳から。 その後、雑誌の翻訳を続け、翻訳の難しさ、楽しさがわかってきた ころ雑誌が廃刊。このままやめるのはもったいないと出版社に売り 込みをし、リーディングや下訳を重ね、単行本を任されるようにな り、着実に実績を積み上げてきました。翻訳の勝負は日本語。いつ も頭の中は日本語のことでいっぱいだそうですが、そのあたりのお 話は本誌に譲り、ここではコーンウェルについてのお話をご紹介し ましょう。 …………………………… (以下、相原真理子さんインタビュー) 彼女の初期の作品は、きちんとした文体できっちり書かれていたん ですが、最近になってくると、悪くいえばルーズ、よくいえば余裕 が出て遊び心が出てきたというんでしょうか、日本語に訳すと「大 きな部屋で、大きなステレオがあって、大きな…」というような、 「大きな」という形容詞をわざとバーッとつなげた書き方をしてい るんです。几帳面な感じではなく、ちょっと崩した感じを出したい わけなんですね。 日本語にそのまま訳すとすごく違和感があるんですが、作者は「わ ざと文体を崩してますよ」とアピールしているわけなので、どこま でやるかというのがすごく悩ましいんです。日本語でそういう表現 はできないという、言語そのものの制約もありますし、しかもそう いう崩した感じの翻訳が読者にきちんと伝わっているかどうかもわ からないですし。こうやって説明するのも難しくて……、聞いてい るほうもイヤになっちゃうでしょう? 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と目が点になってしまいますね。 でもブッシュ政権にとってはこれは死活問題でして、「内戦」と認 めてしまいますと、 政権のイラク政策が「失敗」=“failure”で あったことも認めざるをえなくなってしまうので、決して「内戦」 とは言わないのです。 ただ、新しく国防長官として承認されたゲイツ氏は、議会でこれま でのイラク政策は明らかに「失敗」していると認めましたね。でも これに対しても、ブッシュ大統領は否定的です。 北朝鮮にしてもイラクにしても、今の政策がもっとも批判されてい る点は、 解決方法を“militaristic approach”=「軍事的アプロ ーチ」に限定してしまっており、 “diplomatic approach”=「外 交的アプローチ」が完全に放棄されている状態であることです。 ベイカー元国務長官が指揮を執った「超党派」=“bipartisan”、 イラク研究グループは、 “Iraq Study Group Report”という報告 書を発表しました。何よりもイラクの各勢力に影響力を持っている 周辺諸国、特にイランとシリアと「対話」するべきである、という ことを強調しています。でも、この報告書が発表される前から、ブ ッシュ大統領は「イランやシリアと交渉する余地はない」というこ とを何度も強調しています。では今回の報告書も今の政権では「絵 に描いたもち」ではないか、と批判が高まっています。 先週のボストン・グローブ紙の社説のタイトルは、 “The Baker panel-‘Pie in the Sky’report won't fix Iraq.” (超党派の有識者グループ―「空飛ぶパイ」ではイラクはどうにも  ならない) でした。この見出しを見てくすっと笑ってしまったのですが、「空 の上のパイ」という慣用表現がかわいらしくもあり、やや間抜けで もあります。なるほど、これはまさに「絵に描いたもち」のアメリ カ版だな、と思いました。日本でも、何ら実効性が無い条例案や、 政府のさまざまな審議会が発表する報告書に「まるで絵に描いたも ち」という評価が下されることがよくありますよね。みんな考える ことは同じなのだな、という感じがします。 「もち」というのは、日本人にとって古くから神に捧げる神聖な食 べ物で、さまざまな行事で食されてきました。だからこそ「もち」 を使った慣用表現はたくさんあります、「絵に描いたもち」以外に も、「棚からぼたもち」、「もちはもち屋」、「花より団子」(団 子も「もち」です)、「焼きもち」(うらやむ、のことですね)。 その「もち」に相当するのが、 アメリカでは“pie”なのではない でしょうか。 「アップルパイ」や「ミートパイ」。家族の集まりやクリスマス、 何か特別な時に焼かれるのが「パイ」。なじみがあるからこそ「も ち」と同じく“pie”も多くの慣用表現に使われています。 意外な のがその慣用表現の一つが日本に輸入されて定着していること。 アメリカでは、政治における「賄賂(わいろ)」や、政治的な庇護 (ひご)を表すのに“pie”が用いられるんです。 一つの「パイ」 がある政治家に集まる権力だとするなら、その一切れ一切れ(「一 切れ =“a slice”)を関係業界団体に「配る」「振る舞う」とい うところからくるのでしょうね。 そう、もうお気づきでしょうか。 歳末になると「税収のパイを分け合う」といった表現がよく聞かれ ます。あるいは「成長のパイをどうやって分配するのか」。私はこ れは「麻雀パイ」の「パイ」だと思っていたんですが(苦笑)、パ ンプキンパイなどの「パイ」だったのです! いまだに公共事業などの「ばらまき」による官製談合のニュースが 絶えませんが、その「ばらまき」がアップルパイとなってお空を飛 んでいると想像すると、ちょっとむかむかした気分も収まる…、そ んなことはないですよね、失礼しました! 談合の場で振る舞われたかもしれない「団子」にいたるまで市民の 血と汗と涙の結晶、血税から支払われているという意識が公には不 可欠です! 本題に戻しますと…、ベイカー報告書はまるで「空飛ぶパイ」でま ったくお話になりません、という批判が米国内でも高まってきてい るのですね。それでも、「空飛ぶ砲弾」よりは、たとえ非現実的で あったとしても、平和への一縷(いちる)の望みを「空飛ぶパイ」 にかけてみたいと思います。 ◇◆執筆者プロフィール◇七尾藍佳◇◆ コラムニスト(得意分野は国際関係&文学)。 2003年4月より3年半、TOKYO FM 朝の番組でパーソナリティ。 2006年10月より日本テレビ夜の報道番組『NEWS ZERO』(月-金)にて フィールドキャスターとして活躍中。http://nanaoaika.com/ 昭和53年5月26日 アメリカ合衆国ワシントンD.C.生まれ。 日本とスイス、韓国、チリ、サンフランシスコなどで生活。 東京大学教養学部地域文化研究科アメリカ文化卒業。チリに留学し て「南から北アメリカを考える」ほどの「アメリカ」オタク。 双子座O型、趣味はダイエットおよび美容全般。チクワ好き。 ◆当連載へのご意見・ご感想は下記までお寄せください。  →yonezawa@asahipress.com ★…---…---…---…---…----…-☆ 「EE Club 英検最終回」当選者 ☆…---…---…---…---…----…-★ ・伊藤裕美 様 (愛知県) ・加藤久哉 様 (埼玉県) ・丸山英幸 様 (兵庫県)  上記3名様を当選とさせて頂きます。おめでとうございます! ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 あとがき 2006年も終わろうとしています。 冬季トリノ五輪、WBC、ドイツワールドカップなど、 スポーツの話題が多く挙がった一年でした。 今年の流行語大賞にも「品格」と並び、「イナバウアー」 が選ばれ、早実斎藤佑樹投手、日本ハムのヒルマン監督 にまつわる言葉もトップ10入りしました。 多くの興奮と感動を呼び起こした表れなのだと思います。 一方、今年の世相を表す漢字となった「命」。 特に下半期は、ほほ笑ましい話もありましたが、痛まし い話が連日報道され続け、感覚が麻痺していくかのよう でした。 様々なことが起こった一年ですが、振り返ってしまえば あっという間です。しっかり締めくくりをして、気持ち のいい年越しを迎えたいものですね。 (橋) □■今号の一冊・・・ 『博士の折り紙夢BOOK』 http://www.asahipress.com/2006/hakase_origami.html --------------------- ◆次号は1月10日配信予定です。 ◆当メルマガへのご意見・ご感想は担当の橋本までお寄せください。 → hashimoto@asahipress.com ◆バックナンバーはこちら → http://www.asahipress.com/eeclub/mm.html ────────────────────────────── メルマガの『文字や記号がずれて読みづらい』方は・・ Outlook Express をお使いの場合、 (オプション)-(読み取り)-(フォント) で[MS明朝]や[MSゴシック]に設定して下さい。Mac や他のメー ラーをお使いの場合Osaka等倍など「等倍フォント」をお勧めします。 ────────────────────────────── ◆当メールは、EE Club にご登録いただき、配信を希望された方に 配信しています。 当メールの配信先変更/配信中止は、下記 URL よりログインして いただき、「会員情報変更」にてお願いします。 https://club.asahipress.com/ 朝日出版社:営業部 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-3-5 TEL  :03-3263-3321 FAX  :03-5226-9599 E-MAIL:eeclub@asahipress.com http://www.asahipress.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━