**** 2009/08/19 ******************************************** ☆★ EE Club mail magazine ★☆ ~英語を“楽習”しましょ~ ******************************************* 第111号!**** お盆の帰省ラッシュ、特に高速道路の混雑はすごかったですね。 休み疲れの人もいるでしょうが、切り替えていきましょう! http://ee.asahipress.com/ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ contents ━━━━ 【1】 大増刷出来! 話題の一冊 【2】 押切もえさん、インタビュー裏話 【3】 連載= Express Yourself 「鏡(mirror)」となる「報道」 【4】 あとがき ♯夏の球児たち ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 【1】 大増刷出来! 話題の一冊 □『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』   加藤陽子=著 定価1,785円 ― 高校生に語る、日本近現代史の最前線 かつて、普通のよき日本人が「もう戦争しかない」と思った。世界 最高の頭脳たちが「やむなし」と決断した。世界を絶望の淵に追い やりながら、戦争はきまじめともいうべき相貌をたたえて起こり続 けた。 その論理を直視できなければ、かたちを変えて戦争は起こり続ける。 だからいま、高校生と考える戦争史講座。日清戦争から太平洋戦争 まで。講義のなかで、戦争を生きる。 ⇒ http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255004853/ 書┃評┃掲┃載┃ ━┛━┛━┛━┛ ●小飼弾さんブログ http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51272365.html ●毎日新聞(沼野充義さん) http://mainichi.jp/enta/book/news/20090816ddm015070002000c.html ●産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/culture/books/090816/bks0908160845010-n1.htm ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 押切もえさん、インタビュー裏話 EE9月号の巻頭インタビューは、モデルとして、また最近はテレビ だけでなく、紙メディアでも活躍中の押切もえさんです。『英語で しゃべらナイト』のレギュラーMCとして、番組の華的存在だった もえさんは、実は出演が決まる前からコツコツと英語の勉強に取り 組んでいました。 番組収録後に英会話学校に行っていた時期もあり、早朝から深夜に 及ぶモデルの仕事をこなしながらの学校通いは、決して楽ではなか ったはずですが、その努力は、念願だった英語関係の仕事に出合う ことで報われることになりました。 ところが、番組出演中も苦労の連続で、失敗もあったそうですが、 それが自分を大きく成長させたと語っています。そのあたりは本誌 に譲りますが、ここでは、ライティングの得意なもえさんのエピソ ードをご紹介しましょう。 …………………………… (以下、押切もえさんインタビュー) 中学・高校時代、学校の英語は好きでしたけど、わからない授業内 容もありました。わからないけど、とりあえずテストだけ通ればい いや、みたいな感じでやりすごしていました(笑)。だから成績も 良かったり良くなかったり、でしたね。潜在的にはかなり好きだっ たらしく、いつかはちゃんとやろうと思っていました。 フランス人で同じ歳の友達がいるんですけど、彼女は日本語ができ なくて、私はフランス語ができないので、共通言語は英語なんです。 彼女とはまだ英語学校に通う前に、e-mailでやり取りしていました。 そうしたら、その友人が私の出したメールについて、「多くの日本 人と同じように、もえのメールは完璧。だけど、どうしてしゃべれ ないんだろうね、電話すると会話が止まっちゃうし」って言うんで すよ。 私のメールは、たぶん得意な範囲、これだったら絶対に伝わるとい うところしか書いてないし、それを書くのにも恐ろしく時間をかけ ていましたね。だから、「すぐに返事返ってこないで。この言い回 ししか知らないんだから」なんて思っていました(笑)。 ★…---…---…---…---…---…---…---…---…---☆ CNN ENGLISH EXPRESS のホームページ! 英語上達に効果抜群のコンテンツが盛りだくさん! http://ee.asahipress.com/ ☆…---…---…---…---…---…---…---…---…---★ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 連載= Express Yourself      <ビミョ~>な日本語、英語で言ってみよう! 〔 第71回 ★ ウォルター・クロンカイトが目指した「鏡(mirror)」        となる「報道」とは?〕 「アメリカの良心」とも称されたCBSのアンカーマンだったウォ ルター・クロンカイト氏が亡くなり、彼への追悼の言葉を目にする 機会が多く、改めて彼の功績と、テレビ・ジャーナリズムについて 考えてみました。今回は、半ば「伝説」と化しているアメリカのア ンカーマンたちが残した「言葉」に焦点を当ててみましょう。 私は、ABCのピーター・ジェニングス氏(故人)とアメリカの公 共放送、PBSのジム・レーラー氏を見てきた世代です(ABC、 PBSのニュースは共にNHKのBS放送で見ることができます)。 政治家やメディア一般における「言葉の軽さ」を憂う声が多くなっ ている昨今、彼らの言葉を聴くとその「重み」と「説得力」に圧倒 されます。 クロンカイトやジェニングスといったアンカーマンたちは、evening news と呼ばれる、 アメリカの報道番組の中でもっとも権威ある 「3大ネットワーク」(CBS、NBC、ABC)の最終ニュース (その日最後のニュースショー)の司会者でした。彼らの伝え方一 つで、国の方向性が変わるとも言われてきました。 ピーター・ジェニングス氏は、自分の発する言葉とそれが電波にの る事の威力をよくよくわかった上で「影響が大きくなり過ぎないよ うに」気を遣っていたそうです。最近のアメリカのニュースショー では、視聴者によりわかりやすく伝えるという目的があってのこと とは思いますが、ニュース・アンカーの身振り手振りや表現が大げ さになる傾向にあります。その中で、 ジェニングス氏などのベテ ランがアンカーを務めるニュースにチャンネルを合わせると、とて も落ち着き、ほっとするところがありました。 彼らは、どのような思いでニュースを伝えたのでしょう? クロン カイト氏は次のように語っています: ┌───────────────────────────── "Our job is only to hold up the mirror to tell and show the public what has happened." Walter Cronkite (「我々の仕事は鏡を掲げることだ、社会に何が起きたかを伝え、   見せること」ウォルター・クロンカイト) └───────────────────────────── クロンカイト氏は、アンカーは「鏡」であるべきだ、と言っていま す。「世相・社会」を映し出す鏡としての役割。この言葉は、どう 捉えるべきでしょう? 余計な主観や演出の一切を省き、事実をあ りのままに映し出す、という意味での「客観報道」でしょうか?  実際、クロンカイト氏は、「客観報道」にこだわった人でした。で も、彼の言う「客観」とは、一般的に言う「客観」とはひと味もふ た味も違うように思います。 というのも、 彼が比喩として用いた 「鏡」とは、見る人によってそこに映し出されるものが異なるから です。 100万人鏡を見る人がいれば、100万個の鏡に映る「像」があ る……。それだけたくさんの人が何らかの「想い」を抱き、自らを 顧みる契機となる場を提供すること、それがアンカーマンの仕事だ とするなら、そのためには繊細な表現力と豊富な経験、膨大な知識 の裏づけが必要になるのではないでしょうか。 ピーター・ジェニングス氏が亡くなったとき、氏の友人で長年、雑 誌"New Yorker"の編集者を勤め、テレビ司会者としても知られるケ ン・アウレッタ氏が次の言葉を残しています: ┌───────────────────────────── "My friend Peter Jennings, who died last month...served their audience...day in and day out, Jennings..., tried to offer citizens information we need to make decisions for our democracy. The best journalists and the best officials are public servants." Ken Auletta (「先月亡くなった私の友人ピーター ・ ジェニングス……は、視 聴者……に奉仕しました。毎日毎日、ジェニングスは、……私   たち市民が民主主義社会において判断を下すために必要な情報   を提供しようとした。最も優れたジャーナリストと最も優れた   官吏は、公僕(公共への奉仕者)なのだ」ケン・アウレッタ) └───────────────────────────── をここでは 「公僕」 と訳しましたが、 「公= public」 に、「serve =尽くす」 人のことです。それはつまり、 「エゴ(自我)」を極力削り、純粋に人々のための「媒体」=「鏡」 となること、だと思います。ジャーナリズムを目指す人、あるいは 公務員を目指す人たちは、ほとんど例外なく「人のためになりたい」 という想いをその仕事を選ぶ端緒としているはずです。その中でも、 圧倒的な輝きを放つ一握りの、クロンカイト氏のような人々。彼ら の輝きはどこから来るのでしょう。 テレビ・ジャーナリズムの先駆者として知られる記者・アンカーに エドワード・R・マローという人物がいます。 数年前、 ジョージ ・クルーニーがプロデュースしたことでも話題になった映画『グッ ドナイト&グッドラック』で若い世代にもその存在が知られるよう になりました。マローは、その謎を解く鍵を示してくれています: ┌───────────────────────────── "To be persuasive we must be believable; to be believable we must be credible; credible we must be truthful." Edward Roscoe Murrow (「説得力を持つためには、真実味がなくてはならない。真実味を   持つためには私たちには信頼性がなくてはならない。信頼性の   ためには、私たちは正直でなくてはならない」エドワード・R   ・マロー) └───────────────────────────── 。 嘘をつかないこと、真実、 に対し て忠実であること。当たり前のことのように見えますが、たしかに クロンカイト氏、 ジェニングス氏、マロー氏といった、 テレビ・ ジャーナリズムにその名前が燦然(さんぜん)と輝くアンカーたち はすべて、テレビを見る人に「この人は本心で物を言っている」と 思わせる何かがありました。その「何か」とは?  大げさな表現を避け、与える影響が大きくなり過ぎないように、抑 制の効いたニュースの伝え方をした……それが彼らの共通点です。 伝えようとする気持ちが過剰になるあまり、本当に伝えたいことが 伝わらなかったり、逆に見ている人の気持ちが冷めてしまうという 皮肉な本末転倒は、日常生活でもメディアにおいても、よくあるこ とです。伝えようという気持ちが急いてしまい、演出が過剰になる と、それは「客観性」と「事実」という、ジャーナリズムにおいて 最低限守られなくてはならない「約束」を犯しかねない誘惑として 作用することもあります。 心は熱く、頭は冷静さを保つことは、大事件や災害などの「速報- breaking news」 を伝える時にはとても大切です。 ただ、 「アン カー」 に限らずジャーナリストに求められるのは、 何よりもまず 「人間」であることだと思います。一人の人間として、そのニュー ス、 その場所、 その人に対してどういう感情を持つのか。そして 「他の人々」はどう感じるだろうか、と想像力を働かせること。時 には、抑えても抑えきれない「熱さ」があふれ出てくることもある かもしれません。それがどこまで許されるのかは、伝える側と、情 報を受け取る側との絶えざるコミュニケーションの中から結節点を 手探りで見つけ出す作業を続けるしかありません。それは困難なこ となのかもしれませんが、困難だからこそ挑戦する価値があると、 エドワード・R・マローは語っています: ┌───────────────────────────── "Difficulty is the excuse history never accepts." Edward Roscoe Murrow (「難しい(困難である)ということは歴史が決して認めることの   無い言い訳である」エドワード・R・マロー) └───────────────────────────── 抑制を効かせることによって、よりいっそう際立つ表現、あるいは真 実。それは茶道や禅にも通じる考え方です。 「自分」 と常に向き合 い、自分自身への批判的視点を持ち続けることが、他の人とのコミュ ニケーションを深める契機にもなる……アメリカの名アンカーたちの 「伝える・伝わる」ことへの姿勢は多くを教えてくれます。 ◇◆執筆者プロフィール◇七尾藍佳◇◆ 国内外のメディア(Wall Street Journal Asia, 日本テレビ、 Japan Timesなど)に報告・寄稿する国際的ジャーナリスト。 2002年東京大学教養学部卒。 1978年ワシントンDC生まれ。 「七尾藍佳の最強恋愛論」 → http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/78/P0007808.html 公式ブログ→ http://ameblo.jp/nanao-aika/ ウェブコラム「Salut!」→ http://www.bloomingmarket.com/ (リンク先ページ左下【Salut! Nana's Fashion Tribute】より) 所属事務所ホームページ→ http://www.blooming-net.com/ ◆当連載へのご意見・ご感想は下記までお寄せください。  → nihongi★asahipress.com   ( お手数ですが、★を@ に変えてお送り下さい) ◇『Express Youself』WEB 版はこちら  → http://blog.asahipress.com/express_yourself/ ☆ CNN.co.jp ☆‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥☆ CNN.co.jp ☆ CNNの最新ニュース、話題の事件、こぼれ話などを配信中! http://www.cnn.co.jp >>ブログやホームページに貼り付けてCNN最新ニュースを 受け取れるウィジェットサービスも開始! http://www.cnn.co.jp/widget/instruction.html ☆ CNN.co.jp ☆‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥☆ CNN.co.jp ☆ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 あとがき 甲子園では、連日高校球児による熱戦が繰り広げられています。 今日・明日と行なわれる、ベスト8をかけた3回戦。伝統校・ 初出場校、私立校・公立校とそれぞれですが、そこは魔物がす む夏の甲子園。前評判通りにいかない一発勝負の面白み、こわ さがあります。 地力はもちろんのこと、気まぐれな勝負の流れを引き寄せられ るチームが、深紅の優勝旗を手にすることができるんだと思い ます。 苦境に陥っても動じない精神力。ミスをした選手に笑顔で声を かけるナイン、ベンチ、スタンド。負けたら終わりの夏だから こそ、さまざまな人たちの想いが伝わってきます。 球児の夏の終わりまで、あとわずか。その一瞬一瞬から、目が 離せません。(橋) □■今号の一冊・・・ 『MiND マインド 心の哲学』 http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255003252/ --------------------- ◆次号は9月2日配信予定です。 ◆当メルマガへのご意見・ご感想は担当の橋本までお寄せください。 → hashimoto@asahipress.com ◆バックナンバーはこちら → http://ee.asahipress.com/eeclub/easy.html ────────────────────────────── メルマガの『文字や記号がずれて読みづらい』方は・・ Outlook Express をお使いの場合、 (オプション)-(読み取り)-(フォント) で[MS明朝]や[MSゴシック]に設定して下さい。Mac や他のメー ラーをお使いの場合Osaka等幅など「等幅フォント」をお勧めします。 ────────────────────────────── ◆当メールは、EE Club にご登録いただき、配信を希望された方に 配信しています。 当メールの配信先変更/配信中止は、下記 URL よりログインして いただき、「会員情報変更」にてお願いします。 https://club.asahipress.com/ 朝日出版社:営業部 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-3-5 TEL  :03-3263-3321 FAX  :03-5226-9599 E-MAIL:eeclub@asahipress.com http://www.asahipress.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━