**** 2011/04/20 ******************************************** ☆★ EE Club mail magazine ★☆ ~英語を“楽習”しましょ~ ******************************************* 第150号!**** 今号で150号を迎えました。 2004年12月の創刊以降、足掛け8年 です。読者の皆さんに感謝しつつ、継続していきたいと思います。 http://ee.asahipress.com/?uiaid=easy1 ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ contents ━━━━ 【1】 売行き良好書のご案内 【2】 斎藤兆史さん、インタビュー裏話 【3】 連載= Express Yourself 海外が報じる日本人の stoicism 【4】 あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 【1】 売行き良好書のご案内 □『モギケンの音楽を聴くように英語を楽しもう!』 茂木健一郎=著 定価 1,344円 http://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255005768/?uiaid=e11 ― 一流の英語の使い手である著者が、 英語上達のコツをわかりやすく伝授! テレビやツイッターで大人気の茂木健一郎氏。英語の達人でもある 著者が、自身の体験から、英語を習得するコツや方法をわかりやす く伝授します。実践版として大好評『モギケンの英語シャワーBOX』 の「理論編」。イラスト図解ありのわかりやすいレイアウトです。 ………………………………… □『モギケンの英語シャワーBOX 実践版』 ☆増刷出来!   茂木健一郎=著 定価 2,940円 http://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255005546/?uiaid=e12 ― 基礎の次はこれ! 音楽を聴くように英語を楽しもう! 英語の 達人・茂木健一郎による、脳から見た英語上達CD&BOOK! ネイティブの音声による英語のシャワーを浴びて、脳に英語のエピ ソードが蓄積できる最新学習法。茂木健一郎セレクトによる、「ピ ーターラビットのおはなし」「赤毛のアン」「風と共に去りぬ」等、 感動できる、良質の英文だけを集めました。 初級者にはうれしい、辞書を引かずにすらすら読める単語ルビ訳つ き、飛躍的に英語力がつく3ステップCD(3枚)つき、やる気ス イッチが入るバロック音楽収録です。 ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 斎藤兆史さん、インタビュー裏話 EE5月号の巻頭インタビューは、「茂木健一郎の壁を超える!英語 勉強法:特別対談」として、斎藤兆史・東京大学教授と茂木健一郎 先生の対談をお届けしています。 『英語達人列伝』の著者である斎藤先生は、お手軽英語教材がちま たにあふれる現在の風潮に対して敢然と異議を唱え、かつての日本 で満足な辞書もなかった時代に、英米人に負けない英語力を身につ けた英語達人たちの研究から、多読と徹底的な文法学習に基づく基 礎訓練の積み重ねこそが英語上達の唯一の道と提唱しています。 今回の巻頭特別企画では、教授の著書『英語達人列伝』を読んで目 が開かれる思いがしたという茂木健一郎氏と、英語学習法や英語教 育論について熱く語っています。メルマガ会員の皆様には、本誌で 紹介できなかった、現在の日本の若者や日本の英語教育に対する斎 藤先生の思いをご紹介しましょう。 …………………………… (以下、斎藤兆史さんインタビュー) 今の日本の若者は、中高生から大学生も含め、ある種、精神的な鎖 国状態になっている気がするんですね。日本にいながら、音楽をは じめ外国のものが受容できるので、満ち足りてしまっている。その ため、外国に対して興味を失ってしまい、グローバルな時代と言わ れているわりに、外国にどんどん出て行って何か発信しようってい う若者が減っています。留学する学生も減っていて、僕はこうした 傾向を非常に危機的だと思います。 僕は去年サバティカルだったのでしばらくイギリスにいましたが、 そこで思ったのは、日本の存在感がいかに小さいかということなん です。他の国の人たちは、英語圏でなくてもいろいろと英語で発信 しますし、インタビューでも英語でちゃんと答えられる人が多いの に、英語で受け答えができる日本人は非常に少ないのが現状です。 ですから、やはり日本のことをきちんと英語で説明できる人がいた 方がいいと思いますし、英語教育全体のレベルを上げるべきだと僕 は思います。 ただし、いわゆる特定のエリートだけを英語だけで教育して、これ でインターナショナルな人間を育てるというふうにはしたくないん ですね。これからの国際化の時代の言語政策というのは非常に難し いです。英語教育はやはり強化する必要がある。それと同時に、世 界には英語以外にいろいろな言語があって、言語文化というのはも っと豊かなものなんだということを教えたいと思います。 ★…---…---…---…---…---…---…---…---…---☆ CNN ENGLISH EXPRESS のホームページ! 英語上達に効果抜群のコンテンツが盛りだくさん! http://ee.asahipress.com/?uiaid=easy1 ☆…---…---…---…---…---…---…---…---…---★ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 連載= Express Yourself      <ビミョ~>な日本語、英語で言ってみよう! 〔 第108回 ★ 海外は東日本大震災下の日本をどう伝えたか〕 「ゆとり」があることの大事さを前回は話題にしましたが、東日本 大震災が起きた当初、海外の報道を見ていると、日本人の「落ち着 き」 や 「冷静さ」 をたたえる場面が目立ちました。 たとえば、 Bloomberg のコラムニスト、ウィリアム・ペセック氏は以下のよう に伝えています: ┌───────────────────────────── “The Japanese are as 【stoic】 as their reputation; the near-total absence of looting and crime in a landscape  where houses have been cracked open and possessions lay on  the streets is a testament to the virtues of the world's  most orderly society.” (「日本人はかねてからの評判どおり、とても【冷静】だ。家々は   ぱっくり割れ、人々の所有物が道路におかれた状況で、略奪や   犯罪がほぼ皆無だということは世界で最も秩序だった社会であ   ることを証明している」) └───────────────────────────── ※near-total absence……………ほとんど皆無 ※looting …………………………略奪行為 URL: http://bloom.bg/fKrVj6 ここで という日本人への評判を 「冷静」と訳しました。 和製英語の「ストイック」ですと、「禁欲的」という意味で使われ ますが、本来の英語では「冷静」というイメージが一般的です。世 界は、震災にあたっての日本人の「冷静さ」を評価しました。どう いうことかというと、被災地での助け合いや、計画停電にあたって も首都圏の住民が積極的に協力し、生活必需品を買い求める行列に 何時間も混乱も起こさずに並ぶ日本人の姿に、世界は驚愕(きょう がく)し、そして賞賛のまなざしを向けたのです。地震が発生して から海外のテレビの報道をみていると、被害の規模の大きさを伝え る中で、記者が必ずと言っていいほど付け加えていたのが、日本人 の「落ち着き」です。 あるリポートでは「もともと日本人は列にきちんと並ぶことで知ら れている国民だが、地震が起きてからは」: ┌───────────────────────────── The lines are even straighter than before in Japan. (日本では以前にも増して行列の列がまっすぐになった) └───────────────────────────── と伝えていました。たとえば、地震発生時に首都圏で公共交通網が すべて停止し、多くの人が徒歩で帰宅することになった時も、この ように伝えられていました: ┌───────────────────────────── Hundreds of thousands of people suddenly had to walk home, but the most remarkable thing is that everything was done in an orderly manner, everyone kept their composure, and there were almost no scenes of confusion or trouble. People calmly listened to the instructions given by their employers or government, and followed them without complaining. (数十万人単位もの人が突然徒歩で帰宅せざるを得なくなりました  が、最も特筆すべきなのはすべて秩序だって行われたことです。  誰もが落ち着いていて、混乱や問題が発生する場面はほとんど見  られませんでした。人々は職場や政府の指示を落ち着いて聞き、  不平不満を言うことなく従っていました) └───────────────────────────── ※in an orderly manner………規律正しく、整然と ※composure ……………………落ち着き、平静 たしかに、あの日を振り返ってみると、突如としてすべての電車が とまり、何キロも、何十キロも歩いて帰る人で道路が埋め尽くされ たのにも関わらず、大きな混乱は起きませんでした。首都圏の帰宅 困難者は誰もが「被災地の人々は比較しようがないほど大変な状況 にある、少なくとも私たちにできることは、整然と、冷静に行動す ることだ」と考えていました。それは、日本にいる人にとっては当 たり前のことでも、海外からみると驚くべきことだったのです。ま た、多く見られたのが という言葉です。これは「回 復力」です。たとえば関東大震災からの復興、そして第二次世界大 戦のあとの焼け野原から立ち上がった日本人の の強さは世界が認めるところです。今回もまた日本人はその を見せるだろう、 というのが世界の見方の大勢を占 めています。 ペセック氏は別の記事でこのようにも伝えています: ┌───────────────────────────── “True, things are far from normal. Prosperous Japan isn't accustomed to humanitarian crises. It's a shock to see shantytowns popping up in the northeast - hundreds of thousands huddled into overcrowded shelters without enough water, food, blankets, medical supplies and other essentials. Yet the stoicism one sees in Tokyo, even as prospects for safety dwindle, is truly remarkable. It's not that we in Japan don't get what's afoot....Amid such uncertainty, one thing is clear: Rumors of Tokyo's death are wildly premature.” (「たしかに、物事は平常とは程遠い状況だ。豊かな国日本は人道   的危機には慣れていない。東北ではバラックの町が突然現れ、   数十万人もの人が十分な水、食料、毛布、医薬品などの必需品   がない避難所で肩を寄せ合っている様子はショッキングだ。だ   がしかし、安全が脅かされているにも関わらず東京人が見せる   冷静さは正に驚異的だ。それは日本の人々が何が起きているか   を理解していないということではない。……これほどの不確実   さの中で、一つだけ確実に言えることはこれだ。東京は死んだ   というウワサは恐ろしく時期尚早だ」) └───────────────────────────── ※humanitarian crises……人道的危機 ※shanty ……………………バラックの、掘っ立て小屋の ※stoicism …………………冷静さ ※dwindle……………………(品質などが)落ちる、衰える ※what is afoot……………起きていること             ( は「進行中の」という意味) ※amid ………………………~の中で ※premature…………………時期尚早な URL: http://bloom.bg/g4ZVV3 一部の海外報道では、日が経つにつれて「日本はもうおしまいだ」 といった論調がたしかにありました。ペセック氏はコラムの中でそ れに対して強く反論しています。多くの不確実な情報が飛び交う中 で、国内、海外に限らず、現実とは異なる情報が伝えられたことも たしかにあるでしょう。ただ、いずれにせよ今回の震災で世界が見 たのは、日本人の であり、そしてこれから は間違いなく 、 あるいは となるでしょう。 最後になりますが、2006年8月にはじまったこのコラム、“Ex- press Yourself”は今回が最終回になります。日本語と英語の表現 の違いや、あるいは逆に一致するところから社会と文化について考 えてきたこのコラムは、自分にとっても毎回学びの場でした。10 0回を超える長きにわたって、ご愛読いただいた皆様に、心より御 礼申し上げます。これからは、外国の報道機関に入り、これまでよ りも一層、英語と日本語のニュースに関わることになります。この 試練の時を日本がいかに乗り越えるかを伝えていきたいと思います。 みんなで一緒に頑張っていきましょう。 ◇◆執筆者プロフィール◇七尾藍佳◇◆ フリーライター(比較文化、語学、ファッション、時事問題etc)、 日本テレビ系列、『NEWS ZERO』毎金曜日キャスター。 2002年東京大学教養学部卒。 1978年ワシントンDC生まれ。 東京大学在学中には、チリ、カトリカ大学へ交換留学。 公式ブログ→ http://ameblo.jp/nanao-aika/ 公式ホームページ→ http://www.blooming-net.com/ Time Out Tokyo 「ステージ&伝統芸能」連載 → http://www.timeout.jp/ja/tokyo/performingarts ラジオ番組「明日に架ける橋」にてパーソナリティとして出演中 (毎週金曜TOKYO FM 17:30~17:55) ◆当連載へのご意見・ご感想は下記までお寄せください。  → nihongi★asahipress.com   ( お手数ですが、★を@ に変えてお送り下さい) ◇『Express Youself』WEB 版はこちら  → http://blog.asahipress.com/express_yourself/?uiaid=easy2 ☆ CNN.co.jp ☆‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥☆ CNN.co.jp ☆ CNNの最新ニュース、話題の事件、こぼれ話などを配信中! http://www.cnn.co.jp ☆ CNN.co.jp ☆‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥☆ CNN.co.jp ☆ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 あとがき お読みになっていただいた通り、七尾藍佳さんの連載コラムが 今回で終了となります。 予告編を含めて109本、まる5年近く 続けてもらいました。 毎回、読者の皆さんより一足早く原稿に目を通すのが楽しみで したので、寂しく思いますが、今後の一層のご活躍をお祈りし ております。この場を借りての御礼となりますが、長い間あり がとうございました。 次号以降は、ロンドン在住の谷本真由美さん、ニューヨーク在 住の大原ケイさんの号替わり連載となります。乞うご期待です。 (橋) □■今号の一冊・・・ 『とんでもなく役に立つ数学』 ☆増刷出来! http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255005751/?uiaid=easy5 --------------------- ◆次号は5月11日配信予定です。 ◆当メルマガへのご意見・ご感想は以下アドレスにお寄せください。 → eeclub@asahipress.com ◆バックナンバーはこちら → http://ee.asahipress.com/eeclub/easy.html?uiaid=easy4 ────────────────────────────── メルマガの『文字や記号がずれて読みづらい』方は・・ Outlook Express をお使いの場合、 (オプション)-(読み取り)-(フォント) で[MS明朝]や[MSゴシック]に設定して下さい。Mac や他のメー ラーをお使いの場合Osaka等幅など「等幅フォント」をお勧めします。 ────────────────────────────── 朝日出版社:営業部 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-3-5 TEL  :03-3263-3321 FAX  :03-5226-9599 E-MAIL:eeclub@asahipress.com http://www.asahipress.com/?uiaid=easy0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━