**** 2011/05/11 ******************************************** ☆★ EE Club mail magazine ★☆ ~英語を“楽習”しましょ~ ******************************************* 第151号!**** 大型連休も終わり、5月も中旬にさしかかりました。寒暖の差が 激しい時期ですので、皆さんくれぐれも体調にはご留意ください。 http://ee.asahipress.com/?uiaid=easy1 ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ contents ━━━━ 【1】 新刊発売のご案内 【2】 EE6月号紹介(現在発売中) 【3】 連載= London Calling ――イギリス英語に耳をすませば [new!!] 【4】 あとがき ♯英語リスニング朝練 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 【1】 新刊発売のご案内 □[生声CD&電子書籍版付き] 5月16日発売 『インタビューズ――ラリー・キング・ライブ・ファイナル』 定価 1,260円 http://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255005850/?uiaid=e11 CNN の看板番組「ラリー・キング・ライブ」の25年にわたる歴史の 中から、生声を選りすぐって収録。トークの帝王として世界中の視 聴者を魅了したラリー・キングの話術や超一流ゲストたちの語りは、 迫力と面白さと知的刺激に満ちており、まさに最高のリスニング素 材! ご購入者は本書の電子版(PDF) が無料でダウンロードできるサー ビス付きです♪ ………………………………… □『タイガー・マザー』 5月18日発売   エイミー・チュア=著 齋藤孝=訳 定価 1,869円 http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255005812/?uiaid=e12 ― 全世界で話題の超ベストセラー、待望の日本語訳発売! ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー・ランキング、米国アマ ゾンで上位独占! 米3大テレビのニュース番組、 ワシントン・ポ ストで取り上げられたほか、TIME誌でも大特集。 とびきり厳しい中国人大学教授の母親 “タイガー・マザー” が、 二人の娘と繰り広げる、スリリングでこころ温まる子育て奮戦記。 親が子どもに残してやれる財産は教育と技能であると考える中国式 の理念に基く厳しい英才教育を行う。 結果、二人の娘は学業優秀、ピアノとバイオリンでも超一流の腕前 を身につける。長女は、ハーバード大学、イェール大学合格。娘を 深く愛するゆえにどんなリスクも厭わない母親の覚悟の物語。 ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 EE6月号紹介(現在発売中) ◆ 特集  ̄ ̄ ̄ ̄ かなりの英語上級者の中にも、「数字の聞き取り」を苦手としてい る人は意外に多いものです。聞き取りを難しくしている大きな原因 は、数の位の取り方が英語と日本語では違うことにあり、そのため 「小さな数字は聞き取れるが、大きい数字になると…」という共通 の悩みを多くの人が抱えています。 特にニュース英語では桁の大きな数字が頻出しますが、コツをつか んで練習を積めば必ず聞き取れるようになります。そこで、今月は 「大きな桁の数字の聞き取り」を徹底訓練し、この難関をクリアし ましょう。 ◆ CNNスペシャル  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「CNN が伝えた東日本大震災」がテーマです。CNN では、約10名の 記者が連日、震災と原発に関するリポートを行いました。その中か ら、「津波の危険性を無視した東電」と「高齢者にはつらい避難所 生活」の2本のリポートをお届けします。 3月11日の大津波のあと、 福島第一原子力発電所では非常用電源ま で喪失、放射性物質を大量に放出する大事故となりました。1本め のリポートは、津波の危険性に対する地震学者の警告を無視した東 電について。2本めは、津波で家を流され、避難所で生活する高齢 者について取り上げたリポートです。被災地では高齢者の人口が多 く、ケアしようにも手が足りない状態が続いています。 ◆ アンダーソン・クーパー360°  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「国際評価尺度は最悪の『レベル7』に チェルノブイリ級・福島 原発事故」がテーマです。3月11日の巨大地震後の大津波によって、 福島第一原発では非常用電源を喪失、水素爆発や火災が起こり、大 量の放射性物質が放出される大事故が起きました。 この事故の国際評価尺度は、3月18日発表の「レベル5」から、4月 12日には「レベル7」に引き上げられました。番組ゲストの専門家 は、東電、日本政府、IAEA(国際原子力機関)、米政府すべての初 動対応が遅れたために、必要以上に事態を悪化させたと指摘してい ます。 ◆ ラリー・キング・ライブ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 今月のゲストは、車椅子の天才宇宙物理学者スティーヴン・ホーキ ング博士です。ホーキング博士は新著『ホーキング、宇宙と人間を 語る』の中で「宇宙創造に神は必要なし」と述べたため、本の内容 が欧米で物議を醸しています。 宇宙創造の鍵を握る理論や神の存在、また人類の危機やタイムトラ ベル、無重力体験について、そして子どもたちへのメッセージを語 ってくれました。 ◆ フォアフロント  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「百度」(バイドゥ)の CFO(最高財務責任者)、ジェニファー・ リー氏の独占インタビューを掲載します。2000年1月にロビン・リ ー氏が創業したバイドゥは、今や世界有数の検索エンジンに成長し、 中国国内では80%以上の市場シェアを獲得しています。 '05年には50%足らずのシェアだったバイドゥが、 わずか数年で国 内市場をほぼ独占するに至った理由は何なのか。また、政府の検閲 や、グーグルの模倣企業呼ばわりされることについてはどのように 考えているのか―。流ちょうな英語でジェニファー・リー氏が語っ てくれます。 ★…---…---…---…---…---…---…---…---…---☆ CNN ENGLISH EXPRESS のホームページ! 英語上達に効果抜群のコンテンツが盛りだくさん! http://ee.asahipress.com/?uiaid=easy1 ☆…---…---…---…---…---…---…---…---…---★ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 連載= London Calling ――イギリス英語に耳をすませば                       執筆/谷本真由美 [#01] 前向き collective・後ろ向き collective 今回より月1回コラムを担当させていただくことになった谷本と申 します。 アメリカの大学院で国際関係論と情報管理学を学んだ後、日本のI Tベンチャーでインターネットメディア事業の立上げにかかわりま した。その後、コンサルティングファームの情報通信コンサルタン トとして電子政府やインターネットメディア関連のコンサルティン グに従事後、2003年から2007年まではイタリアのローマに ある国連食糧農業機関(FAO)で情報通信官として情報システム の品質管理を担当していました。 結婚を機にロンドンに移り、2009年からはロンドンの金融街・ シティにある金融機関で情報システムの品質管理とITガバナンス を担当しています。 国連では英語も公用語ですが、職員は150カ国から集まっていま したので、ボリビアからエリトリアまで様々なお国なまりの英語を 「解読」するという特殊技能を磨きました。 国連では、南部アフリカの通信事業者相手に、ゲリラに爆破された 電話局の復旧を問い合わせたり、いつまでたっても繋がらないネッ トワークを「直して、直して」と英語でお願いするというつら~い 作業にもかかわりました。 現在住んでいるロンドンも人種のるつぼです。仕事では要件定義書 (Requirements Definition Document; RDD) やポリシー、通達文書 を書くことが多いですが、ポーランドからインドまで、どんな国の 人にも一発で理解してもらえる文書を英語で書くのに苦労していま す。 * * * * * さてさて、このコラムでは、私自身の体験や身の回りのエピソード、 イギリス的な時事トピックなどなど、様々な英語を取り上げていき たいと思います。 今回は現在もイギリスで大きな注目を集めている東日本大震災関連 のトピックからコラムを始めてみます。 東日本大震災が起きた当初は、震災後の日本の秩序や日本人の我慢 強さを称える報道が目立ちました。しかし、原発からの汚染水が海 に流されてから、イギリスでの日本に対する見方は大変厳しいもの になってしまいました。 例えば、イギリスの知識層が購読する政治経済雑誌であるエコノミ スト誌は、今回はイギリスの大手メディアの中でも論調が最も厳し い媒体のひとつです。日本通の執筆者も少なくないので、普段は日 本に対する好意的な記事が多いにもかかわらず、です。 ▽────────────────────────────▽ That is not only TEPCO's fault. It is Japan's. If the country wants a more reliable energy strategy, it will have to start by acknowledging its【collective failings.】 これは東京電力だけの失敗ではない。日本の失敗だ。日本がよ り信用できるエネルギー戦略を持ちたいのであれば、これは集 団での失敗であったことを認めなければならない。 △────────────────────────────△ ・ energy strategy: エネルギー戦略 ・ acknowledge: ~を認識する、認める  [出典] http://www.economist.com/node/18488463 この記事は、今回の事故は「日本全体の失敗だ」という大変厳しい 口調で日本を批判しています。 【collective failings】は「集団 での失敗」と訳しましたが、この記事では「今回の福島原発の事故 の悪化は、東京電力だけではなく、政治家、政府、メディア、有権 者にも責任があり、『日本全体の連帯責任』である、という意味で 【collective failings】が使用されています。 「日本の集団主義 や、集団主義に起因する社会の停滞が、今回の事故を悪化させた原 因なのだ」ということを遠まわしに指しているわけです。 イギリス人は、今回の事故で「なぜあの日本が?」と大きな失望感 を感じています。 日本は経済大国であり、 大変高い技術を持った 国だと認識されています。イギリスの高速鉄道は日本の会社が製造 したもので大変好評ですし、ヨーロッパで最も効率の良い自動車工 場はイギリスの地方都市にある日本の会社のものです。高い技術を 持った日本の会社がイギリスで創業することで、何万人ものイギリ ス人に雇用を生み出しています。 その日本が「なぜ?」なのです。日本通のエコノミスト誌は、原因 は「日本の悪しき集団主義や、自由闊達(かったつ)な議論や社会 のダイナミズムを許さない日本社会の停滞感にあるのではないか」 としているわけです。 「集団主義」や「自由闊達な議論の欠如」が支配する社会は、イギ リス社会とは正反対です。イギリスは個人主義を重んじる国であり、 個人の自由闊達な意見を重視する社会であるからです。出るくいや 変人が好まれ、人が何をしていようと放置しておきます。 政府や職場、学校では、肩書や年齢をあまり気にせず、お互い腹を 割った議論を活発に交わします。「対等な個人」として、議論や対 話を通してお互いの妥協点を探っていく、という社会なのです。外 から見ると保守的なイメージがある一方、議論が当たり前なので、 日本では考えられないような斬新なアイデアが生まれ、そういう環 境に魅力を感じる人が、世界中から集まってきます。 一方、ヨーロッパの大陸側にある国々は、イギリスとは正反対です。 「団体主義」的な傾向が強く、個人主義を重んじるイギリスと常に 対立しています。イギリスに比べ、社会の同質性が高く、人の移動 も多くないからです。欧州大陸のような「集団主義」が強い日本に 対して、イギリスは、「同じ島国なのになぜ?」と、ついつい批判 的になってしまうのかもしれません。    * ところで、この【collective】という語ですが、前向きに使われる こともあります。 例えば【collective bargaining】は、イギリス 人が大好きな言葉のひとつでしょう。これは「団体交渉」、すなわ ち <被雇用者> が団体になって <雇用者> と労働条件の交渉をする ことを指します。 日本ではそれほどなじみがありませんが、イギリスでは地下鉄職員 や空港職員、地方公務員、教員、民間IT企業の職員からフリーラ ンスのジャーナリストまで、ありとあらゆる <被雇用者> が <経営 層> と労働条件をめぐって交渉を繰り広げるのが、ごくごく当たり 前の光景です。昨年末には、地下鉄職員が団体交渉を行い、ロンド ンの地下鉄のほとんどが数日間ストップしてしまうという事件があ りました。 しかしイギリスでは、ごくごく普通のことなので誰も驚きません。 集団での交渉は当然の権利であり、当たり前のことだと思われてい るので、多少の不利益があっても「お互いさま」と、ストをやって いる人たちを応援します。力の弱い労働者や個人でも、皆で集まっ て協力すれば事態を改善することができる、と考えている人が多い のです。 イギリス人は、不満があれば労働条件でも法律でも、意見を明確に して訴えるという手段を取ります。集団になればそれだけ発言力が 増しますから、【collective】であることは強い武器になります。 また、議論することが当たり前の社会ですから、雇用者や政府など も意見をきちんと聞いて反証するという体制が整っています。議論 する場を与えないことは、公正ではないと考えられています。言い たいことが言えない日本とは随分違います。 もうひとつ、イギリスで流行っている前向きな【collective】の使 い方があります。 イギリスでは最近【collective buying】(共同 購入)が大流行です。これは、日本でも話題になっていますが、一 定の人数以上が集まるとインターネットで格安の購入ができる仕組 みです。日本以上の倹約家が多いイギリスなので、このサービスは 大当たり。日本では物品やお取り寄せでの利用が多いようですが、 イギリスでは物だけではなく、しゃれたレストランでの食事やマッ サージなどの「体験」を売る事業者も少なくありません。    * イギリス人の目にも前向きにとらえられる面と後ろ向きにとらえら れる面がある【collective】ですが、日本人の特質と見なされがち なこの【collective】を前向きな方向に活用すると、復興に役立つ かもしれませんね。 |||--□■ 谷本真由美・TANIMOTO Mayumi ■□--||| 神奈川県生まれ。シラキュース大学大学院修士課程修了。ITベン チャー、コンサルティングファーム、国連食糧農業機関(FAO) などを経て、現在はロンドンの金融機関で情報システムの品質管理 とITガバナンスを担当中。その傍ら、ロンドン大学教授である夫 とともに日本人の英語指導にもたずさわっている。 趣味はハードロック/ヘビーメタル鑑賞、漫画、料理。 ツイッター→ http://twitter.com/May_Roma ブログ→ http://eigotoranoana.blog57.fc2.com/archives.html ◆当連載へのご意見・ご感想は下記までお寄せください。  → yamamotoy☆asahipress.com   (お手数ですが、☆ を @ に変えてお送りください) ☆ CNN.co.jp ☆‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥☆ CNN.co.jp ☆ CNNの最新ニュース、話題の事件、こぼれ話などを配信中! http://www.cnn.co.jp ☆ CNN.co.jp ☆‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥☆ CNN.co.jp ☆ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 あとがき 先月より、都内のとある大学にて毎週月曜日「英語リスニング 朝練」なる取組みを、大学生協さん主催のもと行っています。 1限の授業が始まる前の15分間、時事英語ニュースでリスニン グ学習、会の最後には英語フレーズに合わせたラジオ体操…、 といった内容です。 まだ開始3回で、参加人数も少ないのですが、頭が働かないと 言われる月曜日の朝に、ナチュラルスピードの英語ニュースを 繰り返し耳に入れ、最後には疲れた頭を体操でほぐすというの は悪くないものです。 英語学習に必要なのは習慣づけ、時間や場所を決めて行うこと が大事だという話を先日聞きましたが、まさにその通りだなと。 朝早くわざわざ集まって、学生さんと一緒にシャドーイングを していると、なにか、学ぶ喜びのような興奮を覚えます。 自宅からその大学までかなり距離があるため、毎週5時に起き ているのですが、そのおかげで日曜日に深酒をすることもなく、 肝臓にもやさしい、月曜日からの仕事もはかどる。いい事づく めです。 …会の趣旨からはだいぶずれた気もしますが。 ともあれ、継続は力となります。最近は朝練前後の予・復習が 楽しいです。来週も張り切らなくては。(橋) □■今号の一冊・・・ 『 CNN ニュース・リスニング 2011[春] 』 http://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255005713/?uiaid=easy5 --------------------- ◆次号は5月18日配信予定です。 ◆当メルマガへのご意見・ご感想は以下アドレスにお寄せください。 → eeclub@asahipress.com ◆バックナンバーはこちら → http://ee.asahipress.com/eeclub/easy.html?uiaid=easy4 ────────────────────────────── メルマガの『文字や記号がずれて読みづらい』方は・・ Outlook Express をお使いの場合、 (オプション)-(読み取り)-(フォント) で[MS明朝]や[MSゴシック]に設定して下さい。Mac や他のメー ラーをお使いの場合Osaka等幅など「等幅フォント」をお勧めします。 ────────────────────────────── 朝日出版社:営業部 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-3-5 TEL  :03-3263-3321 FAX  :03-5226-9599 E-MAIL:eeclub@asahipress.com http://www.asahipress.com/?uiaid=easy0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━