**** 2011/05/18 ******************************************** ☆★ EE Club mail magazine ★☆ ~英語を“楽習”しましょ~ ******************************************* 第152号!**** 今月頭に、当社第二編集部のブログが開設されました。読み物や 新刊情報など、日々更新されていますので、ぜひチェックあれ♪ ⇒ http://asahi2nd.blogspot.com/ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ contents ━━━━ 【1】 新刊発売のご案内 【2】 辻芳樹さん、インタビュー裏話 【3】 連載= Empire State of Mind ―― NYから英語小話 [new!!] 【4】 あとがき ♯ことばの日 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 【1】 新刊発売のご案内 □[生声CD&電子書籍版付き] 『インタビューズ――ラリー・キング・ライブ・ファイナル』 定価 1,260円 http://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255005850/?uiaid=e11 CNN の看板番組「ラリー・キング・ライブ」の25年にわたる歴史の 中から、生声を選りすぐって収録。トークの帝王として世界中の視 聴者を魅了したラリー・キングの話術や超一流ゲストたちの語りは、 迫力と面白さと知的刺激に満ちており、まさに最高のリスニング素 材! ご購入者は本書の電子版(PDF) が無料でダウンロードできるサー ビス付きです♪ ………………………………… □『社会は絶えず夢を見ている』   大澤真幸=著 定価 1,890円 http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255005836/?uiaid=e12 いつも 「リスク社会」 は可能性として語られてきた。ついに到来 した「震災・津波・原発」の惨状を見据え、ありうべき克服を提起 する強靱な思考。連続講義第一弾。 ………………………………… □『恋愛美術館』   西岡文彦=著 定価 1,890円 http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255005867/?uiaid=e13 この絵を見ると、せつなくなるのはどうしてだろう。恋愛小説を読 むように、絵画を読む。感動の美術エッセイ。 ………………………………… □『BASIC NUMBERS ベーシック・ナンバーズ』   使える数字研究会=編著 定価 1,365円 http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255005874/?uiaid=e14 社会を知るカギとなる「 数字 」。 「数字を押さえておきたい!」 「だけど、なかなか頭に入らない!」 …そんなあなたのために、 「これだけは!」という必携の数字を集めました。 ………………………………… □『タイガー・マザー』   エイミー・チュア=著 齋藤孝=訳 定価 1,869円 http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255005812/?uiaid=e15 ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー・ランキング、米国アマ ゾンで上位独占! 米3大テレビのニュース番組、 ワシントン・ポ ストで取り上げられたほか、TIME誌でも大特集。 とびきり厳しい中国人大学教授の母親 “タイガー・マザー” が、 二人の娘と繰り広げる、スリリングでこころ温まる子育て奮戦記。 ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 辻芳樹さん、インタビュー裏話 EE6月号の巻頭インタビューは、1960年の設立以来、半世紀以上に わたり、「食」の教育機関として日本と世界の食業界に大きな足跡 を築いてきた辻調グループ校校長の辻芳樹さんです。辻芳樹さんは、 父(故:辻静雄氏)の「子どもには国際人になってもらいたい」と いう強い願いを受け、小学校卒業と同時に渡英。12歳でスコットラ ンドの由緒あるパブリックスクール「フェティス校」へ入学。卒業 後はアメリカの大学で学びました。1993年に辻調理師専門学校の理 事長兼校長に就任し、以来、ヨーロッパ、アメリカの食の最前線の 調査研究を進め、世界で活躍するプロの料理人育成にあたっていま す。 本誌では入学を許可されるだけでも大変なイギリスのパブリックス クールのことや、世界で注目される日本の食文化について、興味深 い話が満載。ここでは、本誌に掲載しきれなかった、辻氏のイギリ ス留学時代のお話をご紹介します。 …………………………… (以下、辻芳樹さんインタビュー) 外国に引けをとらないものは、日本にもたくさんあります。日本人 が、自分の母国にコンプレックスを持つことは、今ではほとんどな いでしょう。ただ、私がイギリスに行った30年ほど前は、差別もさ れていないのに、どこか「引け目」のようなものがあって、日本人 であるということに劣等感を持つという時代でした。もっとも、私 が育ったエディンバラは、当時はまだまだ田舎町でしたから、日本 人自体が物珍しく、その「物珍しさ」を勝手に差別意識のように感 じていたのかもしれません。 Identity というのは、 普通に空気を吸って、普通にしゃべってい れば、放っておいても出てくるものだと思います。外国で暮らすよ うになって、最初は子どもながらに「自分は日本人代表でここに来 ている」という気負いがあったのですが、そうではなくて、相手の 言うことを聴いて、相手のことを尊重することが大事だということ に気がつきました。まさに“Listening is everything”でしたね。 ★…---…---…---…---…---…---…---…---…---☆ CNN ENGLISH EXPRESS のホームページ! 英語上達に効果抜群のコンテンツが盛りだくさん! http://ee.asahipress.com/?uiaid=easy1 ☆…---…---…---…---…---…---…---…---…---★ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 連載= Empire State of Mind ―― NYから英語小話                        執筆/大原ケイ [#01] ビンラディン射殺のオバマ演説を聴く 今回からロンドンの谷本さんと交替で、毎月ニューヨークからコラ ムをお届けさせていただく大原ケイです。 元祖(?)帰国子女として子供の頃から日米を往復、ニューヨーク でジャーナリズムを学び、その後は書籍出版業界へ。講談社アメリ カやランダムハウス講談社などで、いつも英語の本と日本語の本の 橋渡しをするのが仕事でした。現在は文芸エージェントとして独立、 日本の著者や著書を欧米の出版社に売り込むお手伝いをしています。 日本でも一昨年あたりから電子書籍に対する関心が高まったことか ら、Eブックの普及率では一歩先を行くアメリカの事情を訊(き) かれることが多くなり、昨年『ルポ 電子書籍大国アメリカ』 (ア スキー新書 http://amzn.to/iBJ6JH) を上梓しました。私自身もキ ンドルを愛用していますが、ひとつ困るのは、これで読書している ニューヨーカーが何を読んでいるのか分からないこと。地下鉄に乗 る度に車内を見回してどんな人がどんな本を読んでいるのかをチェ ックするのが趣味なので、これはちょっと閉口。 ニュースジャンキーでもあるので、四六時中テレビやラジオをつけ ながらネットでニュースをチェック。ニューヨークには世界中から 移民が集まり、それぞれのコミュニティーが点在しているので、世 界のどこでどんな事件が起こっても、その土地の人の生のリアクシ ョンが伺える“旬”な街。日本のマスコミでは「アメリカでは~」 「海外では~」とひとくくりにされがちな情報にも実際には、多様 性があることを伝えていければ幸いです。 * * * * * こちらで今月上旬の話題を独占したニュースと言えば、やはり米軍 特殊部隊によるアルカイダのウサマ・ビンラディン殺害。9・11 の同時テロの時は、たまたまウォール街の数ブロック離れたところ に居合わせた私としては、あれから10年近い時間が流れ、これで テロとの戦いにひとつの区切りが付くのだろうかと感慨深いものが あります。 では、最初は暗殺作戦成功を発表したオバマ大統領のスピーチから。 大統領当選後は彼のスピーチ集が日本でも出されるほど人気でした ね。アメリカ東海岸では夜中近かったにもかかわらず、この記者発 表の視聴率は過去最高で、相変わらず冷静でありながら、戦死者や テロの遺族にも心を配った潔い語り口でした。スピーチは YouTube などで Obama speech/bin Laden を検索すればすぐに映像が出てく るので、リスニングの勉強にもなるでしょう。 ▽────────────────────────────▽ The images of 9-11 (nine eleven) are seared into our  national memory... △────────────────────────────△ seared into は「~に焼き付けられた」。 burnt into でもいいの ですが、語感の違いで言えば、 burn は <炎を出して燃える> イメ ージなのに対し、sear は <焦げめ付きで焼き付ける> イメージで、 <ジュッと刻印を押す> brand に近い感じです。 national memory という言い方も独特です。 <国民が一丸となって の記憶> という感じが出ています。 【訳】9・11の映像はわれわれの国家的記憶に焼き付いています。 ▽────────────────────────────▽ We were also united in our resolve; to protect our nation, and to bring those who committed this vicious attack to justice. △────────────────────────────△ resolve は「決意」。この単語は「解決する」という動詞として知 っている人が多いかもしれません。 bring someone to justice は「~を裁判にかける、 ~に制裁を加 える」。bring と to justice の間に「この酷(ひど)い攻撃を加 えた者」という長い目的語が入っているために分かりにくくなって います。でも、「裁判にかける」という意味でもある言葉を使うこ とによって、アメリカにとってはこれは、報復や暗殺や殺人ではな く、 <正義> なのだという意図が読めます。そして日本で人気を博 しているハーバード大学のサンデル教授の講義テーマであることか らも分かるように、 <正義> はアメリカ人が重要視しているコンセ プトでもあります。 【訳】また、われわれは、国家を守り、この酷い攻撃を加えた者を 裁きにかける、という決意の下に団結してきました。    * アメリカ軍がビンラディンを討ち取ったというニュースが流れた後、 グラウンドゼロやタイムズスクエア、あるいはホワイトハウスの周 りで「USA! USA!」と連呼しながら喜ぶ群衆の映像が伝え られ、 <国家が犯した殺人を喜ぶとはなにごと……> と違和感を覚 えた人もいたようですが、実のところ、歓呼はほんの一握りの人た ちのリアクションでしかありません。ドキュメンタリー映画監督の マイケル・ムーアや、アメフト選手のラシャード・メンデンホール らは人の死を祝うことに違和感があると明言しています。 彼ら群衆が歌っていた“Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye”という 曲のサビの部分は、よくスポーツ観戦の場で相手チームに <ザマー ミロ> という気持ちで歌われます。その場合の歌詞はいたってシン プルで、 Na na na na, na na na na, hey hey-ey, goodbye! を繰 り返すだけ(参照ビデオ→ http://bit.ly/iUhL6Z)。 でも、この騒いでいた群衆、よく見ると若者ばかり。テロ事件当時 は、イスラム原理主義が何かも、アフガニスタンがどこにあるのか も分からない子供だったことでしょう。時期的にちょうど大学の期 末試験(finals)が終わり、夏休み前の深夜に一騒ぎしただけです。 ニューヨーカーの大半は、学生や観光客の騒ぎを尻目に白け気味で した。 アメリカでは5月末のメモリアルデイ(戦没将兵追悼記念日)をも って、季節は夏全開モードになりますが、卒業式もこの時期に行わ れます。アメリカでは大学は入学するより卒業するのが大変だと言 われます。なかには楽をしても学位がもらえる party school と揶 揄(やゆ)される大学もありますが。日本では入学試験が厳しく、 卒業までのカリキュラムはほとんど自動的なので、合格発表の際に 経験する高揚感が最も大きいものですが、アメリカの学生は卒業す るときにそれを感じることになります。日本の大学では <何期生> というところを、 <何年の卒業生> という呼び方をすることからも それが分かります。 なかでも成績もトップで生徒会長を務め、スポーツチームのキャプ テンも兼任しているような優秀な生徒が valedictorian(卒業生総 代)として選ばれ、同級生を代表して卒業式にスピーチをします。 またその学校の卒業生に限らず、各界の著名人を招いて commence- ment address(卒業記念講演)をしてもらいます。graduation(卒 業)と言わずに commencement(本来の意味は「開始、 始まり」) という言葉を使うのも、これが社会人としてのスタートなのだとい う気持ちが表されているからです。 これも感動的なスピーチを聞くにはいい方法です。日本でも震災の 後、校長先生が卒業生に宛てた「卒業式を中止した立教新座高校3 年生諸君へ」という文章が話題になりましたね。あんな感じです。 アップルのCEO(Chief Executive Officer; 最高経営責任者)、 スティーブ・ジョブスも2005年にスタンフォード大学に呼ばれ ていますし、著名な政治家やCEOは引く手あまたです。聞きたい 人の名前と commencement/graduation speech などで検索すれば、 YouTube などの映像がたくさん出てくるでしょう。    * ところで! <感動的な> という言葉のつもりでよく使われる「ハー トフル」という語は和製英語で、 heartful などという英単語はあ りません。 それどころか、音的に近い hurtful(意地悪な、酷い) という言葉と誤解されてしまいますのでご注意を。 |||--□■ 大原ケイ・OHARA Kay ■□--||| NYはマンハッタン在住の文芸エージェント。自称・元祖帰国子女。 アメリカの書籍出版業界の裏表に通じるが、特に電子書籍事情に詳 しく、各種メディアに寄稿。NYのローカルネタ、ネコ画像、全米 の馬鹿ニュース、日米文化比較、ネイティブの英語などにも日々、 関心を払っている。 近著は『ルポ 電子書籍大国アメリカ』 (アスキー新書) 。 ツイッター→ http://twitter.com/Lingualina ブログ→ http://oharakay.com ◆当連載へのご意見・ご感想は下記までお寄せください。  → yamamotoy☆asahipress.com   (お手数ですが、☆ を @ に変えてお送りください) ☆ CNN.co.jp ☆‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥☆ CNN.co.jp ☆ CNNの最新ニュース、話題の事件、こぼれ話などを配信中! http://www.cnn.co.jp ☆ CNN.co.jp ☆‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥☆ CNN.co.jp ☆ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 あとがき 「こよみのページ」によると、今日は『ことばの日』だそう です。5月(こ)18日(とば)と語呂を合わせて、ことばを 正しく使うように心掛ける日…だとか。 書き言葉にしろ、話し言葉にしろ、綺麗に使いたいとは常々 思っていますが、実践できているかと問われると、うーんと なってしまいます。 「ら抜き言葉」や「てにをは」などわかりやすいものから、 微妙な言い回しや語感の違いまで…深みにはまると手で口を 塞ぎたくなってしまいそうです。 仕事のシーンはまたひと際。あからさまな二重敬語が横行し、 電話でのやり取りなどで頭が痛くなります。 自戒の念を込めつつ…。そんなことを考えていたら文章書け なくなりそうだ。(橋) □■今号の一冊・・・ 『文体練習』 http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255960296/?uiaid=easy5 --------------------- ◆次号は6月1日配信予定です。 ◆当メルマガへのご意見・ご感想は以下アドレスにお寄せください。 → eeclub@asahipress.com ◆バックナンバーはこちら → http://ee.asahipress.com/eeclub/easy.html?uiaid=easy4 ────────────────────────────── メルマガの『文字や記号がずれて読みづらい』方は・・ Outlook Express をお使いの場合、 (オプション)-(読み取り)-(フォント) で[MS明朝]や[MSゴシック]に設定して下さい。Mac や他のメー ラーをお使いの場合Osaka等幅など「等幅フォント」をお勧めします。 ────────────────────────────── 朝日出版社:営業部 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-3-5 TEL  :03-3263-3321 FAX  :03-5226-9599 E-MAIL:eeclub@asahipress.com http://www.asahipress.com/?uiaid=easy0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━