**** 2006/11/15 ******************************************** ☆★ EE Club mail magazine ★☆ ~英語を“楽習”しましょ~ ******************************************** 第45号!***** 七五三シーズンですね。近所の神社でも千歳飴を持った子どもを 見かけます。きりっとした表情をしていて、ほほ笑ましいですね。         http://www.asahipress.com/ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ contents ━━━━ 【1】 好評メルマガ、続々書籍化! 【2】 清川妙さん、インタビュー裏話 【3】 連載= Express Yourself 【4】 あとがき ♯北日本巡り ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 【1】 好評メルマガ、続々書籍化! <辞書にない英語で世界がわかる>  『情報通になるための英語 新語・流行語ハンドブック』   英語新語研究会=編[代表 宮本倫好] 定価1,575円(本体1,500円+税)   ⇒http://www.asahipress.com/2006/trendy.html   辞書に載っていないホットな英語が満載!とびきり新鮮な 言い回しから、世相を映し出す時事・科学・経済用語など、   徹底収録! <笑える英語の実践講座>  『笑うネイティブ』 宮本倫好=著 定価1,260円(本体1,200円+税)   ⇒http://www.asahipress.com/2006/warau.html ジョークでおさえる英語のツボ!爆笑ネタをたっぷり紹介 しながら飛躍的な英語力のアップをお手伝いします。 ◎EE Club 特別割引はこちら◎ ▼   ▼ https://club.asahipress.com/member/customer/member_enter.html ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 清川妙さん、インタビュー裏話 EE12月号の巻頭インタビューは文筆家の清川妙さん。中高年の英語 熱が盛んといわれますが、そのお手本、というより、お手本のレベ ルを超え、誰もまねできない領域にまで達してしまった方です。 53歳から英語を再学習し、65歳でイギリスに単身旅立ち、はや13回 のイギリス一人旅の記録をもつスーパー・ウーマンです。 清川さんの英語学習は、足かけ18年近く続けたイギリス人の先生と の個人レッスンが中心。凡人には想像もつかない長さと情熱ですが、 その秘訣は本誌に譲り、ここでは大女優のこぼれ話をご紹介します。 …………………………… (以下、清川 妙さんインタビュー) ベルリッツに入って1年後くらいに、だんだん英語が身についてき たなという実感はありました。ほかの学校は知らないのでわかりま せんが、ベルリッツの教え方は非常にシステマティックでよくでき ているな、と思いました。 このころには目安だった180レッスンを 終えてましたから、わりと英語はできていましたね。 そのころに女性週刊誌の仕事で、訪日中のソフィア・ローレンにイ ンタビューする仕事がありました。通訳の方はついてはいましたが、 ソフィア・ローレンの話す英語はよくわかりました。彼女は非常に 知的な雰囲気を持ち、イタリア人ですが、先生を選んでいい英語を 勉強していると言っていました。その通り、外国人が習った本格英 語という感じの、大変きれいできちっとした英語でした。私も彼女 と同じような考え方で英語を習っていましたから、深く共感できま した。 $--…---…---…---…---…---…---…---…---…-…---…--$  EEを友達にすすめてアフィリエイト報酬をゲットしよう!   ◎詳しくはこちら ⇒ http://ee.asahipress.com/ $--…---…---…---…---…---…---…---…---…-…---…--$ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 連載= Express Yourself <ビミョ~>な日本語、英語で言ってみよう! 〔 第6回 ★ その「立場」はどの「立場」? 〕 アメリカ合衆国の中間選挙で民主党が大勝しました。米紙やテレビ などで目についた表現が“Divided Government”です。つまり、行 政のトップである大統領と、立法のトップである議会が異なる政党 によって支配されているということで、「分けられた政府」「分裂 統治(政治)」ということになるんですね。 私がアメリカで暮らしていたときも“Divided Government”の時代 でした。議会と大統領の間で予算案に折り合いがつかず、連邦政府 機関が“shut down”されるという事態が何度か発生し、 大きな問 題になりました。そのとき、 “I was taken aback by such nonsense at first, but on the other hand, checks and balances between the legislative and executive branches was properly  functioning.” (私はそんなばかげたことがあっていいのかとびっくりしたもので  すが、一方で立法府と行政府の互いのチェック機能は健全に働い  ていたということでもあるのです)  ※1【英語表現解説は本文に続く“Tips”参照↓】 6年もの間、共和党に牛耳られた議会で何の不自由なく独自の政策 と信条を徹底し続けてきたブッシュ大統領が、どのように民主党が 支配する議会と渡り合ってゆくのかということが大きな注目を集め ています。早くもラムズフェルド国防長官が更迭されました。イラ ク政策の変更も余儀なくされることでしょう。 ただ、これまで野党との対立を鮮明にすることで支持を得てきた大 統領だけに、その議会対策手腕に疑問の声が上がっているのは当然 です。クリントンはといえば、議会が対立政党によって支配されて いながらも、大きな社会保障制度改革も実現するなど、なんとかう まくやったという評価を得ています――さて、今回、 “Why did Democrats win?” (民主党はなぜ勝ったのでしょうか) もちろん、泥沼化するイラク情勢が争点であった選挙であることは 確かです。でも私は“values”が影の立役者だったと見ています。 “values”は日本語では「価値観」と訳されていますね。 例えば、妊娠人工中絶手術、同性婚、胚性幹細胞(ES細胞)研究と いった倫理的問題に関する政治家の「立場」が問われました。 問題は、 その政治家が信条としてどこまで“liberal”=「リベラ ル」なのか、“conservative”=「保守」なのかということです。 今回の選挙で候補者は、この“values”の踏み絵を踏まなくてはい けませんでした。そして民主党の多くの候補者が、保守層をびっく りさせるような「立場」を取らなかったこと、つまり―― “Just because we are Democrats, doesn't mean we have horrendous opinions. We think family values are important, we are not open handedly welcoming same sex marriage, and we think we ought to be cautious to a certain extent about scientific researches that could fundamentally shake the concept of‘life.’” (私たちは民主党だからといって目の玉が飛び出るような意見を持  っているわけではありませんし、家族の価値も大事だと思ってい  ますし、同性婚だって手放しで賛成なわけでもないですし、生命  のありかたの根本を揺るがすような科学研究に対してはある程度  警戒すべきだと思っているんですよ)※2 ときちんと有権者に訴えたことが、大きな勝因だったのではないだ ろうか、と私は考えているのです。 例えば日本でも「代理母」=“surrogate mother”が話題になりま したが、私はこれがニュースになったときにメディアに出ている人 の多くが歯切れの悪い物言いをしていたことがとても気になりまし た。その人の“values”は何なのか、それが見えてこないのです。 私の「立場」を明らかにしておくと、 “Frankly, I see nothing wrong with it.” (正直にいって、何も悪いことはないと思っています) 子供を切実に欲しいと思っている人に、可能となった医療技術を用 いることによってその希望をかなえることの限度はあるでしょう。 例えばクローンに関しては反対です。でも出産の「技術」に関して いえば、体外受精が容認されて代理母が容認されないのはおかしい と思うのです。ただ、この場は別に私の“values”に関してとこと ん論証するものではないのでこれにとどめておきます。重要なこと は私が私自身の「立場」を明らかにしたということです。 私が問題に思うのは、この「立場」という言葉です。 「代理母」の問題では、多くの政治家や専門家が「国民的議論にゆ だねるべき」と言います。その背後には、多かれ少なかれ「自分は 意見を述べる『立場』にない」という言葉が見え隠れします。 安倍総理大臣も、これまで日本が「侵略戦争」を行ってきたことに 懐疑的な発言を繰り返してきたにもかかわらず、総理大臣になった 途端に「そのようなことを述べる『立場』にない(むしろ僭越(せ んえつ)だ、とまで言いましたね)」と言って、自身の歴史認識の 「立場」を明らかにせず、それは「歴史家にゆだねるべき」と言い ました。 だんだん問題の核心に近づくにつれてわかりにくくなってきたので ここで「立場」という言葉を整理しましょう。 まず、“values”=「価値観」において、どのような「立場」に自 分が立っているのか、 つまり“opinion”としての「立場」があり ます。わかりやすくするためにこれから「立場(values)」と表記 しましょう。 もう1つの「立場」は、安倍総理大臣が「総理大臣という立場から は発言を控えさせていただきたい」と言うときの「立場」です。こ れほど英語に訳すのが難しい言葉にはあまり出くわすことがありま せん(苦笑)。「地位」「身分」という意味の“position”にあた りますが、今の日本で使われている2番目の「立場(position)」 には、新しい使い方が登場しているように思えるのです。むしろ、 この「立場(position)」は「立場」という言葉を使うことによっ て、責任を回避しようとする「逃げ口上」的性質があるように思う のです。 アメリカの中間選挙では政治家の「立場(values)」が争点の1つ でした。新しい技術が日々登場し、人々の感情も日々変化する中で 「立場(values)」を表明するのはなかなか勇気のいることです。 それでも、政治家という「立場(position)」にあるものは「立場 (values)」を明らかにするのが「仕事」なのです。それは、有権 者は政治家に、政治的判断を行い、市場や科学技術に規制を作って もらったり、あるいは撤廃してもらいたいと思っているからです。 政治は「集合的意思」ですから、政治家は「立場(values)」を明 らかにしなければいけない。議論や「立場(values)」を「国民」 「科学者」「歴史家」に「ゆだねる」と政治家が言うのは、本来的 におかしな話です。とどのつまり「あなたの意見はどうなのよ?」 ということです。 麻生外務大臣が、「核保有議論容認」発言を行いました。ここでも 「外務大臣」という「立場(position)」と「立場(values)」の 関係がなんだかねじまがっています。私たちの多くは「議論をして いいじゃないか」という外務大臣の発言のウラには、「きっと核保 有すべきだと思っているんだろうな」と思っていますよね。そうで なかったらそもそも「議論すべき」なんて言わないですものね。そ うであるなら“opinion”として、 「核保有」すべきだと思ってい るのかそうでないのか、という「立場(values)」を明確にすべき である、ということなんです。「議論をすべき」とするなら、まず 自分の「立場(values)」を明らかにしなければ、そもそも議論自 体ができません。 麻生外務大臣は、「議論は認めるべき」と言っている議員の方々に 「いいですよ、じゃあ堂々と議論しましょう。で、あなたのお『立 場』は?」と聞かれたら、どう答えるのでしょうか。「議論をすべ き」と言っているのだから、答えるべきですよね。でもなんとなく 「外務大臣という『立場』にあるので発言は控えさせていただく」 と答えるだろうことが想像できてしまいます。 「政治家」という「立場(position)」は、一時的にその場に「立 っている」というものではなくて、その人のそれまでの生い立ちか ら人となりすべてを持って「賭ける」ものだと思います。ましてや 国の根本に関わる政策に関係する「立場(values)」を表明しない のは、責任放棄です。日本語では、「立場(position)」から別の 「立場(position)」に移ったら、もうまるで「別世界」で、以前 の「立場(position)」での行いや発言などは全て洗い流されたか のようになってしまいます。 しかし、「公」の「立場(position)」についたからといって、そ の人物の「個人」の「立場(values)」がなくなってしまうわけで はありません。「個人」であることに変わりはないのです。 英語の“position”では、ある個人がある“position”に立ってい たときの行いが、新しい“position”では消える、というほどの力 を持っているわけではありません。英語の“position”にも日本語 の「立場」と同様に、「地位」「身分」という意味と、「意見」あ るいはこれに類似した「立ち位置」という2つの意味があります。 ですが、日本語と違うのは、責任ある「立場(position)」に立っ たから「立場(values)」を明らかにしなくてよいわけでは決して ないという点です。 むしろ、責任ある“position”に立つほどにその人の“values”や “position on various values”=「さまざまな『価値観』の『立 ち位置』」を明らかにすることが求められるのです。 さぁ、あなたのこの問題への「立場」はいかがですか?  これからは「立場」という言葉にご用心。 ◇◆Tips<英語表現解説>◇◆ ※1 ●“be taken aback by~” =「~で驚く」「~でめんくらう」 “be surprised by” といった表現よりも知的な印象を与えるので がんばって使ってみましょう。 ●“on the other hand”=「一方で」 そのままの意味ですが、議論を行うときや意見を提示するときに非 常に便利です。 ●「チェック機能」=“checks and balances” 「チェック機能」は和製英語です。 “【×】checking function” とは言いません。もともと、立法、行政、司法の3つの組織が相互 に関係し、その権力が行き過ぎないように「監視」「チェック」す ることによって政府内の「力」の「バランス」が保たれる、という 政治用語が“checks and balances”です。 これをもって、日本で はより簡素化した「チェック機能」とされることが多いですね。意 味は通じるので「チェック機能」で問題ないでしょう。 ●「健全に」 この形容詞に似たような英語表現は“sane”=「まともに」、また は、 そのまま“healthily”と文字通り「健全」と全く同じ言葉を 使うこともあります。 この場合では、何をもって“healthy”な状 態とするのかが前後の文脈で曖昧(あいまい)なのでわかりやすさ をとって“properly”を用いました。 ※2 ●“horrendous”=「恐ろしい」「ものすごい」 これは、“horrific”などよりもさらに「とんでもない」という印 象を与える言葉です。手放しで、両腕を開いて、「歓迎」あるいは 「賛成」する、というとき、 英語では“open handedly”というど んぴしゃりな訳語があります。 ●「ある程度は」=“to a certain extent” これは以前に取り上げた「ビミョ~」と似たような用法で用いるこ ともあります。例えば「ある程度は認めることができるけど全面的 には<ビミョ~>」なとき、こんなふうに言えますね。 “I can accept to a certain extent, but....” (ある程度までは受け入れられるけど…) こんなふうにも言えます。 “As to whether I could fully accept, it's questionable.” (私が全部受け入れられたかどうかは、疑わしい) ◇◆執筆者プロフィール◇七尾藍佳◇◆ コラムニスト(得意分野は国際関係&文学)。 2003年4月より3年半、TOKYO FM 朝の番組でパーソナリティ。 2006年10月より、 日本テレビ夜の報道番組『NEWS ZERO』の フィールドリポーター。http://nanaoaika.com/ 昭和53年5月26日 アメリカ合衆国ワシントンD.C.生まれ。 日本とスイス、韓国、チリ、サンフランシスコなどで生活。 東京大学教養学部地域文化研究科アメリカ文化卒業。チリに留学し て「南から北アメリカを考える」ほどの「アメリカ」オタク。 双子座O型、趣味はダイエットおよび美容全般。チクワ好き。 ‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥☆「EE Club 英検第8回」☆ ~ 明日(11/16)、応募締め切り!~ https://club.asahipress.com/member/customer/quiz/index.php ☆「EE Club 英検第8回」☆‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 あとがき 来春発売予定の新商品の促進に、北日本を回っています。 郡山から仙台、盛岡と北上してきて、今夜から札幌です。 雪に埋もれないよう、がんばらないと。 EE Club 会員の皆さまにも遠くないうちにご案内ができる と思いますので、楽しみにしていてください。 さて、出張の楽しみといえば、やはり夜。 名産をつまみながら、ちびりちびりと杯を傾けていると、 一日の疲れなんてどこへやらです。 昨夜は、魚の美味しそうな店へふらりと。 「おまかせで」とお願いしたところ、戻り鰹から鯨刺し、 キスの天ぷら、かれい焼きと、みるみるうちに皿が並び、 なんとも豪華な食事になりました。 特別サービスだよ、と豪快に笑う大将。 これぞ地方出張の醍醐味。いい時間が過ごせました。 しかし、幸せばかりではないようで、元来食が細いくせに 無理して全部たいらげたものだから夜中に胃が悲鳴を…。 上から下からの大惨事が朝まで続きました。 くぅ、がんばらねば。(橋) □■今号の一冊・・・ 『未来への地図』 星野道夫 著 http://www.asahipress.com/2005/mirai.html --------------------- ◆次号は12月6日配信予定です。 ◆当メルマガへのご意見・ご感想は担当の橋本までお寄せください。 → hashimoto@asahipress.com ◆バックナンバーはこちら → http://www.asahipress.com/eeclub/mm.html ────────────────────────────── メルマガの『文字や記号がずれて読みづらい』方は・・ Outlook Express をお使いの場合、 (オプション)-(読み取り)-(フォント) で[MS明朝]や[MSゴシック]に設定して下さい。Mac や他のメー ラーをお使いの場合Osaka等倍など「等倍フォント」をお勧めします。 ────────────────────────────── ◆当メールは、EE Club にご登録いただき、配信を希望された方に 配信しています。 当メールの配信先変更/配信中止は、下記 URL よりログインして いただき、「会員情報変更」にてお願いします。 https://club.asahipress.com/ 朝日出版社:営業部 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-3-5 TEL  :03-3263-3321 FAX  :03-5226-9599 E-MAIL:eeclub@asahipress.com http://www.asahipress.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━