**** 2007/01/10 ******************************************** ☆★ EE Club mail magazine ★☆ ~英語を“楽習”しましょ~ ******************************************** 第48号!***** 一昨日は成人の日でしたね。近所でも晴れ着姿の新成人を見かけ ました。新たな一年を、気持ちよくスタートさせたいものです。 http://www.asahipress.com/ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ contents ━━━━ 【1】 大人も楽しめる、折り紙の本 【2】 EE2月号紹介 【3】 連載= Express Yourself 【4】 あとがき ♯今年も一年… ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 【1】大人も楽しめる、折り紙の本 「大人の折り紙」がじわじわとブームになりつつあります。 作者は世界初の折り紙博士と紹介された数学の先生、川崎敏和さん です。見れば折りたくなる、美と幻想の世界が広がります。 □『博士の折り紙夢 BOOK』 子どもから大人まで楽しめる国内外の名作144点を収録! 恐竜、ばら、スペースシャトルなど人気の作品から、著者おすすめ の名作まで、分かりやすい図で紹介。 ⇒http://www.asahipress.com/2006/hakase_origami.html □『折り紙 夢 WORLD』 銀河鉄道にでてくるような機関車や子ギツネ、バラの花などパズル 感覚で楽しむ、夢いっぱいの折り紙の世界です。 ⇒http://www.asahipress.com/new/00096.html □『折り紙 夢 WORLD 花と動物編』 インテリアに応用できる花・動きのある動物たちを中心に、わかり やすい折り図とカラー写真で紹介する折り紙の本。 ⇒http://www.asahipress.com/new2/origami/ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 EE2月号紹介 ◆ 特集  ̄ ̄ ̄ ̄ ネイティブが日常使う表現は、非常にシンプルなものばかり。これ に対して、日本人の英語は日本語に引きずられて、直訳から抜けき れないため、長すぎたり、不要な語句が多いなど、複雑でわかりに くいものになりがちです。ネイティブ流のシンプルな英語は、直感 的でわかりやすく、そして相手にもこちらの気持ちをうまく伝える ことができます。今月は、あなたの英語をシンプルな英語にするた めの極意を伝授します! ◆ 巻頭特別インタビュー  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 去年の12月に CNN の日本特集スペシャル「Japan Now」の放送のた めに来日したロンドン支局のリチャード・クエスト特派員に EE 編 集部がインタビュー。政治・経済をはじめとする硬派のニュースか らユニークな情報番組まで、幅広いフィールドで活躍し、独特の語 り口と超強力キャラで「最も面白いリポーター」として人気を集め ているクエスト特派員のインタビューを特別に CD に収録しました。 ◆ ショウビズ・トゥデイ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 今年のアカデミー賞との呼び声高い『ディパーテッド』に主演する レオナルド・ディカプリオとマット・デイモン、そして監督のマー ティン・スコセッシです。実は、本作は香港映画の名作『インファ ナル・アフェア』のリメイクですが、リメイクであることを感じさ せないスコセッシ監督独自の作品となっているところはさすがです。 3人が本作の見どころ、そして重要な役どころを演じる怪優ジャッ ク・ニコルソンについて語ります。 ◆ ラリー・キング・ライブ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 今月のゲストは、U2のボノが登場します。 昨年末、8年ぶりに 来日し、およそ6万人のファンを沸かせた彼らですが、ボーカルの ボノはアフリカ救済活動を精力的に行っていることでも知られてい ます。彼は、Product RED というプロジェクトを立ち上げました。 本プロジェクトに参加する企業は、 「RED」という共通ブランド商 品を製作し、その売り上げの一部を世界基金に寄付するのです。 GAP やアップル・コンピュータなど、さまざまな企業が彼の呼びか けに賛同し、参加しています。ボノが、このプロジェクトを始めた 理由、アフリカの現状、また、自分にとってのU2の存在について 語っています。 ◆ アンダーソン・クーパー360°  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ アンダーソンがラスベガスに赴き、ウーピー・ゴールドバーグ、ロ ビン・ウィリアムズ、ビリー・クリスタルの3人にインタビューし ています。この3人はコミック・リリーフという1980年代半ばに始 まった、「お笑い」で困っている人を助けることを目的としたチャ リティー番組の司会を務めてきました。これまでに5000万ドル以上 の寄付を集めましたが、このたびコミック・リリーフ2006として、 いまでも助けを必要としているハリケーン・カトリーナ被災者のた めに再結集したのです。おかしくも真面目に、ニューオーリンズが 抱える問題について話し合っています。 $--…---…---…---…---…---…---…---…---…-…---…--$  EEを友達にすすめてアフィリエイト報酬をゲットしよう!     ◎詳しくはこちら ⇒ http://ee.asahipress.com/ $--…---…---…---…---…---…---…---…---…-…---…--$ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 連載= Express Yourself   <ビミョ~>な日本語、英語で言ってみよう! 〔 第9回 ★ “globalization”はさくらんぼのいいとこどり?〕 Happy New Year!  あけましておめでとうございます。 あなたはどんなお正月を過ごされましたか? ここ数年の私はFMラ ジオで朝の番組のパーソナリティをしていたので、大晦日、元旦の 別なく仕事をしていました。時には、大晦日のカウントダウン特番 を終え、ホテルで2時間ほどの仮眠をしてから4時過ぎにまたラジ オ局に入る、なんていう非人間的(inhumane)な年もあったくらい です。ところが、ご存じの通り、テレビの年末年始は特別番組の目 白押しで、ニュースの時間帯も大幅に変更されます。そんなわけで 私もほぼ5年ぶりのいわゆる「お正月」をおかげさまで過ごすこと ができました。姉と2人で北海道まで30日から3泊4日のスキー旅 行にもでかけました。ということで三が日は白銀のゲレンデ。   ところで「三が日」は、日本特有の慣習(a strictly Japanese custom)です。 アメリカ合衆国の“Holiday Season”は、クリスマス前の感謝祭か ら年明けにかけてですが、むしろ中心は「お正月」よりもクリスマ ス前からクリスマスにかけて。カウントダウンはシャンパン片手に 盛り上がりますが、「おごそかな」※1(本文に続く“Tips”を参 照)というよりはむしろパーティー気分で盛り上がるもの。クリス マスはむしろその逆です。西洋文化圏でクリスマスを過ごされた方 ならよくおわかりかと思いますが、街は楽しそうであるものの、や はり「おごそかな」「聖なる」夜なのだな、ということが「ひしひ しと」※2感じられます。 その「三が日」感を、これまた「ひしひしと」感じたのが1月3日 に車を運転したときのこと。車が少ない! 首都高で「慢性的な交 通渋滞 (chronic traffic jam)」と言われている個所を走ってい るのがなんと、私の車だけ! しかも普段なら朝のラッシュ時。 見渡す限り6号線に車がいなぁい! (No car on Route 6 as far as the eye could see!) (英語でも「見渡す限り」という表現はありますね、「目に見える 限り」という言い方をします)。本当にお正月は物流から人にいた るまですべての動きが止まるんだなぁと思いました。 さて、そんな2007年、平成19年はどんな年になるのでしょうか。 ニューヨークタイムズ紙は毎週末に社説(columns/editorials)と 投書( “Letters to the Editor”=「編集者への手紙」という言 い方をします)をまとめて掲載した、 “Weekly Review”なるもの を出していますが、その新年版に目を通していました。やはり、み んなの関心事は… “globalization”。 「自由貿易」=“free trade”がクリントン政権以来、繁栄を約束 する時代の潮流としてもてはやされましたが、今では間違いなく悪 役の代名詞のように言われています。 特に反響の大きかった社説を“Weekly Review”に再掲載し、 それ への読者の反響を合わせて掲載する特集のやり方をニューヨークタ イムズ紙はよく行います(私は、これは双方向の議論が成立して非 常によいやり方だと思います)。 私が目を奪われたのは“Globalization's Winners and Losers”と いう社説に対する投稿の数々。そのタイトルからして、思わずため 息をつかせられます。つまり「グローバリゼーション」(もはやグ ローバルな資本主義と同義になっていますね)は「勝ち組」と「負 け組」を生むものであるという認識はアメリカでも同様なのです。 多くの人が、“free trade”によってアメリカの製造業の中心が中 国やインドに奪われてゆき、アメリカの中産階級の雇用が失われて ゆくこと(job loss)に危機感を抱いていることがわかります。 日本では戦後最長の好景気が続いていると言われている一方で、な かなかどうして賃金は上がらないままで、消費の調子がよくありま せん。それはアメリカでも同じこと、「これからは『賃金停滞の時 代』=“the era of wage stagnation”だと覚悟しなければいけな い」とある読者は書いていました。また、「グローバリゼーション が万民に富をもたらすと考えるのは「大局を見つめるのを拒む」= “refuse to see the big picture”行為で、 まさに「現実逃避」 =“a form of denial”にほかならないと。 “denial”は興味深い単語です。“deny”=「否定する」と同じ語 源を持ち、“denial”もまた「否定」という意味ですが、英語で使 われる場合は「現実逃避」「現実を直視しない」「現実をかたくな に認めない」という意味で使われることが多いので覚えておくとよ いでしょう。 たとえば、 “Regarding the issue of an aging society, the Japanese government is in a state of denial.” (高齢化社会の問題に関して、日本政府は現実を直視していない)  となります。 「持てる者と持たざる者」の格差がさらに拡大してゆく来たるべき (あるいはすでに来ている)「格差社会」。この「持てる者と持た ざる者」を英語で言うのは簡単、 “haves and have-nots”です。 “have”という動詞を「持てる者」という形で名詞化して、複数形 で用います。 「競争社会(society of competition)」そしてグローバル資本主 義の推進者は、たとえば「能力のある者が正当に評価される」とい った多くの利点を挙げますが、その「競争社会」の象徴とも言うべ きアメリカ合衆国で、「そういった『利点』は “cherry-picking over isolated instances” である」という声が強くなってきているのは非常に興味深いことで す。この“cherry-picking over isolated instances”を説明する と、 ・“cherry-picking”=「さくらんぼ摘み」 ・“over”=「~について」 (“think over”=「~についてよく考える」の“over”と同じ) ・“isolated instances”=「例外的事例」 (“isolated”=他の流れから「孤立している」  “instance”=「例」) となります。なんとなく意味がおわかりいただけるのではないでし ょうか。いいところばっかりとって全体が見えなくなってしまう、 例外的事例をとって、あたかもそれが全体像であるかのように主張 しているので、説得力がない、ということです。 日本語にするとどんな慣用表現が当てはまるかな…と考えたのです が、いろいろ思い浮かぶもののどうもしっくりこない。 同じ植物つながりで「木を見て森を見ず」ということわざがありま すが、これはいかがでしょう? でもやはりちょっと違う。「臭い ものに蓋(ふた)」も、意味としてはそれほど違わないのですが、 「さくらんぼ摘み」とはちょっと意味合いが変わってきてしまいま す。そうやってうんうん考えたのですが…結局は「いいとこどり」 なのではないか?!という結論にたどり着きました。さくらんぼ、 りんご、ぶどう、何だっていいものばっかりとって、虫食いのもの は捨ててしまいます。それってやはり「いいとこどり」ですよね? まぁ、発想を転換してみると、どんな困難な状況にあっても、物事 のよい面だけを見て前向きにやっていくというのは、たとえばそれ が人生だったら悪いことではないとは思います。問題はその対象が 「社会」であった場合。やはりよいところばっかりに目を向けても 置き去りにされてしまう「現実」があるわけですから、その現実の “denial”はいけません。 今年も、このメールマガジンで「英語」から日本と海外の「現実」 のなにがしかの“essence”(日本語では「エッセンス」と、 少し オシャレな感じがする言葉ですが、英語の意味は「本質」です)を 「摘み取」っていけるように精進してゆく所存です。よろしくお付 き合いください。   “Thank you for reading,  and wish you a year of many‘fruits’!” (読んでくださってありがとう、 実り多き年※3でありますように!) ◆◇Tips◇◆ ※1【おごそかな】 “solemn”や“grave”といった形容詞が訳語にあたりますが、 こ の場合お葬式などの「悲しい」「厳粛(げんしゅく)な」といった 趣(おもむき)のある言葉になるので、宗教的な「粛々(しゅくし ゅく)とした」雰囲気や、元旦のぴんと張り詰めたような「清々し い」雰囲気を表すにはあまり適さないと思います。 日本の元旦の雰囲気を表現するには、むしろ「清い」という意味合 いの強い“serene”を使うとよいでしょう。 例)「清々しい・おごそかな日本の元旦」    =“a serene Japanese New Year's morning” ※2【ひしひしと】 「ひしひし」も英語にしにくい擬態語です。皮膚から浸透して、魂 にまで染み渡るようにじっくりと、かつ強く「感じられる」という 表現は、なかなか英語ではないように思います。 たとえば、雪が「しんしんと」降る、ですとか、「じわじわと」染 み渡る様子ですとか、「ゆっくりと」でも「確実に」という感覚は 日本の気候風土がはぐくんできた感覚であり情緒なのかもしれませ ん。 肉体的に、「感じる」ことを表す表現では “feel(know,believe) ~ in one's bones” (~を骨で感じる(知る、確信する)) があります。 例)「彼の苦しみが僕には伝わってきた」    =“I felt his suffering in my bones. ” でもこれは「ぴんときた!」といった意味合いで使われる表現です ので、たとえば“gut instinct”という「第六感」として使われる 表現と近い。なので、同じように「骨」や「体」を使っているから といって「骨身に染み渡る」ですとか「五臓六腑(ごぞうろっぷ) に染み渡る」といった日本語の「強く感じる」とは質的に異なる表 現なのです。 ※3【実り多き年】 “fruit”を使った表現のほかに、“productive year”とも言いま す。日本語で「生産的な年」と言うとなにやら味気ないですが、英 語ですともっと「実り」感があります。 ◇◆執筆者プロフィール◇七尾藍佳◇◆ コラムニスト(得意分野は国際関係&文学)。 2003年4月より3年半、TOKYO FM 朝の番組でパーソナリティ。 2006年10月より日本テレビ夜の報道番組『NEWS ZERO』(月-金)にて フィールドキャスターとして活躍中。http://nanaoaika.com/ 昭和53年5月26日 アメリカ合衆国ワシントンD.C.生まれ。 日本とスイス、韓国、チリ、サンフランシスコなどで生活。 東京大学教養学部地域文化研究科アメリカ文化卒業。チリに留学し て「南から北アメリカを考える」ほどの「アメリカ」オタク。 双子座O型、趣味はダイエットおよび美容全般。チクワ好き。 ◆当連載へのご意見・ご感想は下記までお寄せください。  →yonezawa@asahipress.com ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 あとがき 先週のお年玉プレゼント企画にたくさんのご応募を頂き、 ありがとうございました。 メールマガジン誌面や EE Club サービス内容について、 さまざまなご意見・ご感想を聞くことができ、とても参考 になりました。 当メルマガも創刊から2年あまりになりますが、役に立つ 英語情報を楽しく学べるよう配信する、という初心を忘れ ず、日々努力したいと思います。 (橋) □■今号の一冊・・・ 『仏像のひみつ』 http://www.asahipress.com/2006/butsuzo.html --------------------- ◆次号は1月24日配信予定です。 ◆当メルマガへのご意見・ご感想は担当の橋本までお寄せください。 → hashimoto@asahipress.com ◆バックナンバーはこちら → http://www.asahipress.com/eeclub/mm.html ────────────────────────────── メルマガの『文字や記号がずれて読みづらい』方は・・ Outlook Express をお使いの場合、 (オプション)-(読み取り)-(フォント) で[MS明朝]や[MSゴシック]に設定して下さい。Mac や他のメー ラーをお使いの場合Osaka等倍など「等倍フォント」をお勧めします。 ────────────────────────────── ◆当メールは、EE Club にご登録いただき、配信を希望された方に 配信しています。 当メールの配信先変更/配信中止は、下記 URL よりログインして いただき、「会員情報変更」にてお願いします。 https://club.asahipress.com/ 朝日出版社:営業部 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-3-5 TEL  :03-3263-3321 FAX  :03-5226-9599 E-MAIL:eeclub@asahipress.com http://www.asahipress.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━