**** 2007/09/19 ******************************************** ☆★ EE Club mail magazine ★☆ ~英語を“楽習”しましょ~ ******************************************** 第65号!***** EEのサイトがリニューアルしました。 新コンテンツ、CNN の 書き取りテストに、ぜひ挑戦してみてください♪ http://ee.asahipress.com/ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ contents ━━━━ 【1】 EEのサイトがリニューアル! 【2】 野口総一さん、インタビュー裏話 【3】 連載= Express Yourself 【4】 あとがき ♯柔道から JUDO へ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 【1】 EEのサイトがリニューアル! CNN ENGLISH EXPRESS のサイトがリニューアルされ、「音声の試聴」 や「立ち読み」がオンラインでできるようになりました。 CNN の音声を使った「ディクテーション」のテストも受けられます。 その他、読者の英語勉強法など、英語上達に効果抜群のコンテンツ が盛りだくさんです。 ┏-------------------------------------------┓ 英語学習に効果的なコンテンツがさらに充実! ぜひアクセスしてみてください! ▼ ▼ http://ee.asahipress.com/ ┗-------------------------------------------┛ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 野口総一さん、インタビュー裏話 EE10月号の巻頭インタビューは、宇宙飛行士の野口総一さんです。 野口さんは、サラリーマンから宇宙飛行士に転身、2005年にスペー スシャトル・ディスカバリーに船外活動主任として搭乗し、15日間 のミッションを終え無事帰還しました。宇宙飛行士になってから9 年目にして、ようやく巡ってきた搭乗チャンスを、栄光の業績に変 えました。 宇宙飛行士にとって英語力は必須事項。そんな野口さんの英語勉強 法やコミュニケーション術は本誌に譲り、ここでは、ロシア語も勉 強中だという野口さんの米・ロ・日体験の違いをご紹介しましょう。 …………………………… (以下、野口総一さんインタビュー) はじめてロシアに行ったのは、1998年にロシアの宇宙開発の中心地 「ガガーリン宇宙飛行士訓練センター」で、1カ月間船外活動の訓 練をしたときです。当時、経済状況が良くなかったことがあるので しょうが、実感したのはアメリカとの違いでした。訓練スタイルも 違いますが、資料ひとつとっても、アメリカでは事前にコピーなど の資料が配られますが、ロシアでは黒板に書かれたものを必死にノ ートを取らなければなりませんでした。 その後10年たってロシアの経済も潤い、ずいぶん変わりましたね。 一番元気がないのが日本です。経済的な浮き沈みとは別に、ロシア 人は自国の文化に対して猛烈な自尊心を抱いており、トルストイや チャイコフスキーといった偉大な先人を通じて自国の文化をとうと うと語る。アメリカ人は星条旗に対する愛着というか、愛国心がめ ちゃくちゃ強い。 そういう意味では、私たち日本人は自分たちの文化や美しさをもっ と世界にアピールしていってもいいかなという気がします。私がよ く能や古武術の話をするのも、日本人の持つ文化的な深さを伝えて いきたいからなんです。 ★…---…---…---…---…---…---…---…---…---☆ CNN ENGLISH EXPRESS のサイトがリニューアル! http://ee.asahipress.com/ ☆…---…---…---…---…---…---…---…---…---★ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 連載= Express Yourself   <ビミョ~>な日本語、英語で言ってみよう! 〔 第26回 ★「現実」から逃げるのは“immature” 〕 仕事がたまっていればいるほど、仲間と飲みに行きたくなる。寝る 前にチェックしないといけない仕事があるのに、いつもは観ないテ レビドラマを観てしまう。 そういうことって、誰だってしてしまいますよね? いわゆる「現実逃避」。 英語でしっくりくるのは“procrastinate”=「ぐずぐずする」。 これはサリンジャー(J.D.Salinger)の『ライ麦畑でつかまえて』= “The Catcher in the Rye”で市民権を得た言葉と言われています。 やるべきことを棚上げして、他の事をやってしまう、つまり「現実 逃避」という意味合いでも使われます。 “Holden Caulfield was procrastinating from his schoolwork.” (ホールデン・コールフィールド※は学業から逃避(現実逃避)  していました) ※『ライ麦畑でつかまえて』の主人公 誰もが開いた口がふさがらなくなってしまった(=“It left us all standing there with our mouths hanging open.”)安倍総理 の「政権放り出し」も、自らの「続投表明」から、数多くの実現し ていない「美しい国」の政策までのすべてを「棚上げする」―― “procrastinate”し続けた結果の敵前逃亡という感じがします。 これをまとめて言うなら、 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ “After a long period of futile procrastination,  Prime Minister finally turned his back against  heavy loads of his own policy of ‘A Beautiful Nation,’  threw away his administration, and locked himself up  in his own room like a spoiled child.” (不毛にも長い間ぐずぐずした挙句、総理大臣は自らの政策  である「美しい国」の重責に背を向け、政権を放り出した上、  甘やかされた子供のように自分の部屋に閉じこもってしまった) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ でも安倍さんは、ホールデンのように多感な思春期の少年ではなく 立派な「オトナ」なはずだったんですけどね。 社民党の福島党首に「坊ちゃん政権」と言われてしまいました。 安倍総理の突然の辞意表明(実際に次の総理が決まるまでは総理の 座にあるわけで、まだ正式に「辞任」したわけではありません)、 それに続く後継の自民党総裁選びをめぐる永田町のドタバタを取材 している間に、いろいろ考えました。 思い出したのは、総裁候補の1人、麻生太郎幹事長(注:当面二階 総務会長が代行をつとめるので肩書きとしては幹事長のまま)が外 務大臣だったときのある発言について。 次のようなニュースが世界を駆け巡りました。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ “Japan's Foireign minister Taro Aso criticized the US policy in Iraq by commenting that ‘the operation after the occupation was very naive.” (日本の麻生太郎外務大臣は「占領後の作戦は非常にナイーブ だった」と発言し、アメリカのイラク政策を批判した) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ となります。これを見て、あれ?? と思われた方、多いのではな いでしょうか? そう、不思議なことが起きているんです。 これは「問題発言」として話題になったあの「イラクにおけるアメ リカの占領政策は非常に幼稚だ」というものです。 本来なら“childish”と訳されるべきところ、なぜか海外には「幼 稚」が“naive”として伝わっているんですね。 ここに翻訳のマジックがあります。というより、非常によろしくな い例です。ことの真相は、仮にも同盟国日本の外務大臣という要職 にある人間が(たとえアメリカ国内の評判がよくないといっても) アメリカの政策を“childish”と言ったとなると上を下への大騒ぎ になってしまう(“the whole place will be in a scramble.”)。 そこで頭を抱えた外務省のお役人が思いついたのが、 “naive”だ ったのでしょう。うまいことに、確かに誤訳とは言い切れません。 日本語での「ナイーブ」は「繊細」というイメージがありますが、 英語だと「未経験の世間知らず」という意味になります。ある物事 についてよく知らないがために、間違った判断をしてしまいがちな ことを表します。 たしかにこの“naive”という単語の定義を考えると、 イラク戦争、 戦略、そして現在の泥沼化にいたるまでの一連のアメリカのイラク 政策の一面を表していることは論理的には否定できないでしょう。 外務省もよく考えたものです。結果的には、日本で心配されたほど にはアメリカでは問題になりませんでした。 本来“childish”とすべき「幼稚」を“naive”でごまかした、 日 本外務省の世紀の名/迷訳がなかったら、麻生氏は今総裁候補にな ってはいなかったかもしれません。 それほど「幼稚」を指す“childish”は、成人した大人に対しては 強い侮蔑的表現になります。たとえばこの例文を見てください: ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ “Can you believe Prime Minister Abe?!  He threw away* the administration  just because he couldn't take it anymore*.  Can you come up with* something more childish than that?! It's so immature*!” (安倍首相信じられないと思わない?!  もうこれ以上耐え切れないからって政権を投げ出しちゃった。  これ以上幼稚なことなんてないと思わない?  本当に大人気ない) ≪意味チェック(*印)≫ throw away~(~を投げ出す) can not take~anymore(~にこれ以上耐え切れない) ※「~でいっぱいいっぱい」という意味でよく使われます come up with~(~を思いつく) immature(未熟な、大人気ない) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ “childish”をきちんとした社会人に使うと、「子ども」である、 つまり「責任能力」がまるでない、言ってみれば社会的不適応者と ういレッテルを貼られたのと同じことになってしまいます。 ですから、かなり感情的になっていないと使いませんし、同僚など の間よりも、男女間で使われることの方がまだ多いでしょう。 でも、「子どもな人」ってどの職場にもいますよね。実際、私も自 分のこと「子どもだな~」ってよく思います。そんな時に便利なの が、この“immature”という形容詞。 これはもともと“mature”=「成熟した」の否定形です。“mature” は、実は果物が「熟した」状態を表すのによく使われます。 “This pear is mature.” (この洋ナシは食べごろです) “This apple is not mature yet.” (このリンゴはまだ熟していません) そう、まさに果物が熟すように、「成熟している」「大人である」 というのが“mature”です。その逆、“immature”は、このように 使います: ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ “George, my colleague, deleted my client's file to get back at* me. He is SO immature.” (同僚のジョージは、僕に仕返しをするために、僕のクライアント  のファイルを削除したんだ。まったくガキな奴だよ) ≪意味チェック(*印)≫ get back at~(~に仕返しをする) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ この例文の場合、より感情をこめるためには“so”を強調すると感 じが出るでしょう。「お友達内閣」だの「坊ちゃん政権」だの、な んとも情けないいわれ方をしている今の日本の政治に欠けているの は、まさに“maturity”=「成熟」かもしれません。 “But I wonder whether Japanese politics will ever be mature….” (でも日本の政治が「成熟」することなんて本当に  あるんだろうかと思ってしまいます) ◇◆執筆者プロフィール◇七尾藍佳◇◆ コラムニスト(得意分野は国際関係&文学)。 東京大学教養学部地域文化研究科アメリカ文化卒業。 1978年5月26日 アメリカ合衆国ワシントンD.C.生まれ。 幼少期から大学までの11年間を日本の他、ジュネーブ、ソウル、 サンフランシスコなどで過ごす。 東京大学在学中には、交換留学生としてチリのカトリカ大学へ留学。 2003年4月より3年半、TOKYO FM 朝の番組でパーソナリティ。 現在は、日本テレビ夜の報道番組『NEWS ZERO』(月‐金)にて フィールドキャスターとして活躍中。 七尾藍佳公式HP→ http://www.blooming-net.com/ (リンク先ページ右【七尾藍佳】アイコンより) ウェブコラム「Salut!」→ http://www.bloomingmarket.com/ (リンク先ページ左下【Salut! Nana's Fashion Tribute】より) ブログ→ http://nanaoaika.com/ ◆当連載へのご意見・ご感想は下記までお寄せください。  → yonezawa@asahipress.com ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 あとがき ブラジル、リオデジャネイロで行われた世界柔道。 メダル数という結果において低調だった日本チームの中、 最終日に登場した谷亮子選手はまばゆい輝きを放ちました。 全日本選手権の決勝で敗れながら、代表選考されたことに 対し批判も少なからずありましたが、文句なしの結果を出 す地力は恐るべしです。 今回の世界柔道では、判定の問題も大きく取りざたされま した。返し技を重視する、欧州主導の国際ルールに苦しみ、 涙をのんだ日本選手が数多くいました。 国際柔道連盟における、日本の影響力低下が話題となった ことも重なりましたが、日本柔道にとってのターニングポ イントが訪れているような感じがしました。 鈴木桂治選手・井上康生選手の敗北を受け、各メディアは 一斉に「審判に負けた」「誤審」との見出しを載せました が、どれも感情的な記事ばかりで、正直へきえき。 「柔道が柔道でなくなっている」とコメントした日本選手 がいましたが、今や柔道は JUDO であることも考えた方が 日本柔道の未来につながるのでは、と思ってしまいました。                        (橋) □■今号の一冊・・・ 『夢に迷う脳』 http://www.asahipress.com/2007/yume.html --------------------- ◆次号は10月3日配信予定です。 ◆当メルマガへのご意見・ご感想は担当の橋本までお寄せください。 → hashimoto@asahipress.com ◆バックナンバーはこちら → http://www.asahipress.com/eeclub/mm.html ────────────────────────────── メルマガの『文字や記号がずれて読みづらい』方は・・ Outlook Express をお使いの場合、 (オプション)-(読み取り)-(フォント) で[MS明朝]や[MSゴシック]に設定して下さい。Mac や他のメー ラーをお使いの場合Osaka等倍など「等倍フォント」をお勧めします。 ────────────────────────────── ◆当メールは、EE Club にご登録いただき、配信を希望された方に 配信しています。 当メールの配信先変更/配信中止は、下記 URL よりログインして いただき、「会員情報変更」にてお願いします。 https://club.asahipress.com/ 朝日出版社:営業部 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-3-5 TEL  :03-3263-3321 FAX  :03-5226-9599 E-MAIL:eeclub@asahipress.com http://www.asahipress.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━