**** 2008/07/02 ******************************************** ☆★ EE Club mail magazine ★☆ ~英語を“楽習”しましょ~ ******************************************** 第84号!***** EE8月号は今週土曜の発売です。ショウビズ・トゥデイにはジャ ネット・ジャクソンが登場します! http://ee.asahipress.com/ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ contents ━━━━ 【1】 新刊!! 文芸書・芸術書のご案内 【2】 EE8月号紹介 【3】 連載= Express Yourself ブレア前英首相に学ぶ“RP” 【4】 あとがき ♯洞爺湖サミット ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 【1】 新刊!! 文芸書・芸術書のご案内 □『老年の価値』   ヘルマン・ヘッセ=著 岡田朝雄=訳 定価2,940円 ― 人はいかによく「老いる」か。 ドイツの文豪ヘッセが壮年から老年にいたるまでの40年間に綴った 詩・エッセイ・手紙の数々。南アルプスの自然の中に暮らし、創作 活動の合間の畑仕事や庭の手入れから感じとったものは? ⇒ http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255004372/ □『この写真がすごい2008』   大竹昭子=編著  定価1,995円 ― 日常をゆさぶる100の瞬間 誰が撮ろうと、どこにあろうと写真は写真。その面白さは無差別級。 プロ・アマ問わず、3歳の子供から90歳の老人まで、本や雑誌、展 覧会、ポスターからインターネットまで、この1年に見つけた、思 わず立ち止まってしまう100の写真。 ⇒ http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255004396/ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 EE8月号紹介 ◆ 特集  ̄ ̄ ̄ ̄ 一念発起、英語に再び取り組もうと決心したものの、英検や TOEIC に全く歯が立たず、中学・高校英語の復習を中心に基礎から「英語 をやり直したい」と考えている人が大勢います。また、そうした資 格試験である程度の成績が残せても、話す・書く力が著しく劣って いることを実感し、「使える英語」の再学習法を模索している人も かなりの数に上ります。 そこで今回は、こうした悩みを抱える人たちが、英語の再学習を行 なう場合に役に立ついろいろなポイントを、Q&A方式で紹介しま す。再学習の実際の事例も紹介してあるので、学習を進めるうえで 非常に参考になるはずです。 ◆ ショウビズ・トゥデイ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ マドンナと並ぶポップ・アイコンの1人、ジャネット・ジャクソン のインタビューです。ジャネットは2月にリリースした通算10作目 のアルバムをなぜ『ディシプリン』と名づけたのか、アルバム名に 込めた思いについて語ってくれました。また、兄マイケル・ジャク ソンとの思い出と、今年誕生25周年を迎えた、音楽史上最も多くの 売上数を誇る彼のアルバム『スリラー』について話してくれました。 ◆ CNN特集  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「死者数7万人 四川大地震の悲劇」 と題してリポートをお送りし ます。5月12日、マグニチュード8.0の巨大地震が中国・四川省を襲 いました。死者数は約7万人に達し、行方不明者も1万7000人以上 といわれています。また、今回の地震では7000棟近くの校舎が倒壊 し、多くの子どもたちが犠牲になりました。CNN 特集では、被害が 甚大だった綿陽市と北川市からのリポートをお届けします。 ◆ カッティング・エッジ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 死んだネズミの心臓を再生する米国ミネソタ大学の研究所で行われ ている画期的な実験についてお伝えします。薬剤処理した死んだネ ズミの心臓を型にして、赤ちゃんネズミの心臓の細胞を注入しまし た。すると、1週間後には再び心臓が脈打つようになったのです。 この技術を応用することで、将来、人間の心臓に近いブタの心臓を 再生・移植することができると期待されています。さらに、心臓だ けでなく、肝臓や腎臓などほかの臓器も再生して、臓器不足の解決 策になりうると注目されています。 ★…---…---…---…---…---…---…---…---…---☆ CNN ENGLISH EXPRESS のホームページ! 英語上達に効果抜群のコンテンツが盛りだくさん! http://ee.asahipress.com/ ☆…---…---…---…---…---…---…---…---…---★ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 連載= Express Yourself      <ビミョ~>な日本語、英語で言ってみよう! 〔 第45回 ★ Received Pronunciation「容認発音」スピーカー、        ブレア前首相に学ぶ「認められた英語」 〕 明朗かつ知的な英語。 世界中の人がこんなふうに自分が話せたら、と思う英語とはまさに この英語だ! と聞いていて思いました。 それは前イギリス首相、トニー・ブレア氏の英語です。 来週開催されるサミットに合わせて世界中のリーダーが日本に集結 しつつありますが、首相のポストから退いてからも中東和平プロセ スなどでアクティブに活動しているブレア氏も、自身が率いる団体 が気候変動にまつわる緊急リポートをサミットに提出するのに合わ せて来日しています。 東京で催されたブレア氏の会見に行ってきました。 RPという言葉を聞いたことありますか? Received Pronunciation の略で、 イギリスではまさにブレア氏の ような美しい英国式発音のことを指します。 女王陛下の英語、 ということで Queen's English と言われたりし ますが、本国ではRPの方が一般的。それを「容認された・受容さ れた」= received と呼ぶことが、いかにもイギリス人らしいです よね。 じゃあそれ以外の発音は not received、 受け入れてすらもらえな いのか?! というツッコミを入れたくなるくらいですが… ただ、 ブレア氏の英語を聞いていると、わかりやすく、クリア、かつ知的。 Received Pronunciation ここにあり! という感じでした。 また、Received Standard English とも言われることがあります。 これは「容認標準語」で、「英国のパブリックスクール、Oxford、 Cambridge 両大学で」また「広く教養人の間で離される英語」です。 そんな英語が話せたらあなたも一気に「イングリッシュ教養人」! そんな、ある意味「夢のような英語」とも言える Received Pronunciation、Received English を早速、 ブレア前首相から学ん でいきましょう。 まず、ブレア氏が連発していた essential という単語は、使いまわ しがきくのに、 使っただけでなんとなく立派なことを言っているよ うに思われるという優れもの。 形容詞としての意味は「絶対必要な・必須の」もしくは「本質的な・ 本来の・自然の」です。 今起きている温暖化をストップさせるために何が必要か、というこ とを話しているときに、ブレア氏は次のようなことを繰り返し強調 していました: ┌──────────────────────────── We need an 【essential】 change in our political system in order to achieve our goals. (目標を達成するためには政治システムの本質的な変化が必要です) It is 【essential】 to unite the scientists and political leaders. (政治指導者たちと科学者を結びつけることが必要不可欠です) └──────────────────────────── また、essential を「本質的要素」という意味の名詞として使うこ ともできます: ┌──────────────────────────── The 【essentials】 of healthy beauty are; eat well, sleep well, and exercise. (健康的美の本質的要素はきちんと食べ、よく寝て、運動すること) └──────────────────────────── essential をつけると、そのあとに来るものが「とにかく重要事項 なんだな」ということをわかりやすく伝えられます。 extremely important =「とてつもなく重要」という表現を使うよ りも、 単に essential と言ったほうがずっとこなれた感じがしま す。ぜひ使ってみてください。 また、英作文では「同じ単語を繰り返すのは単調になってしまうか ら避けるように」ということが鉄則とされていますが、形容詞を工 夫してみると、単調どころかよりエレガントな英語になることもあ ります。 気候変動枠組条約 =“United Nations Framework Convention on Climate Change ” では発展途上国から、「先進国は成長する過程 でさんざんCO2(二酸化炭素)を排出してきたのに、今になって これから成長しようとする国に排出規制をさせようとするのは不公 平だ」という不満の声がずっとあることに関して、ブレア氏はこの ように表現していました: ┌──────────────────────────── On the one hand there is this entirely understandable need to protect the earth, and on the other hand there is an equally understandable need for prosperity (for the developing nations). (一方では地球を守るというまったくもって妥当な要求があり、 他方ではそれと同等に妥当な(途上国の)繁栄への要求がある) └──────────────────────────── understandable need =「理解できる・共感できる要求」ですが、 日本語としてやや不自然になってしまうので「妥当な言い分の要求」 ということで「妥当な要求」としました。 同じ言葉の「妥当な要求」が二回出てきますが、それによって単調 になるどころか、問題がどこにあるのかをとてもわかりやすく、か つ効果的に示しています。 entirely understandable の entirely も essential(副詞なら essentially)と同様に「強調」の場面でよく使われますが、 「全 体として、包括的に、まったくもって」という意味です。 「地球環境を守らないといけないという必要性、要求はまったくも って妥当なものである。その通りである。だが一方で、それだけを 声高に主張したのでは、発展途上国の言い分を無視してしまう。現 実的に気候変動に対処してゆくためには、発展途上国の言い分も equally understandable とまず認めてあげなくてはいけない」 そのようにブレア氏は主張したいのだと思います。そういった含意 が見事に短い文章に凝縮されています。 しかも、entirely と equally は同じ E から始まる単語で、 韻を 踏んだ形になっているので、とても強い印象を聞く人に与えます。 私もつい覚えてしまったくらい。 恐るべし、RP、Received Pronunciation。そしてスピーチの達人、 トニー・ブレア前首相、です。 こう見てゆくと、ブレア氏の英語は、どうやったら自分の伝えたい ことをきちんと伝えることができるのかに主眼がおかれていること がわかります。 さて、来週7日から洞爺湖で開催されるG8サミットの取材に私、 七尾も行って参ります。G8のみならず、アフリカ諸国やBRICs など、世界中のリーダーが一堂に会すということは、「世界一流の 英語」に触れる絶好のチャンス! というわけで次回は「サミット、 英語編」をテーマにさせていただきたいと思います。お楽しみに! ┌──────────────────────────── “Received Pronunciation” is not only just “received”, but will also make the message well “received”. (“Received Pronunciation”とはただ単に容認されているだけ ではなく、メッセージをよりよく受け止めさせるものでもあります) └──────────────────────────── ◇◆執筆者プロフィール◇七尾藍佳◇◆ 日本テレビ系列、『NEWS ZERO』フィールドキャスター。 東京大学教養学部卒。 ワシントンDC生まれ。 東京大学在学中には、チリ、カトリカ大学へ交換留学。 公式ブログ→ http://ameblo.jp/nanao-aika/ ウェブコラム「Salut!」→ http://www.bloomingmarket.com/ (リンク先ページ左下【Salut! Nana's Fashion Tribute】より) 公式ホームページ→ http://www.blooming-net.com/ ◆当連載へのご意見・ご感想は下記までお寄せください。  → yonezawa@asahipress.com ◇『Express Youself』WEB 版はこちら【★ URLが変わりました!】  → http://blog.asahipress.com/express_yourself/ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 あとがき 今号の『Express Youself』でも触れられていますが、 洞爺湖 サミットの開催まで一週間を切りました。 都内でも、JR・私鉄・地下鉄などの交通機関が警備を強化し ているようで、通勤時に駅構内で警察官の姿を見かけます。 今回のサミットも、議論の中心は温暖化問題。 日本でも通天閣が消灯されたり、コンビニエンスストアの深夜 営業規制を検討するしないと話題になっていますが、個人レベ ルの話にまではなっていないように思います。 定着したライフスタイルを変える、便利なものを不便に落とし こむことは本当に難しいことかもしれませんが、それを実行し なければ先の世代につなげない、そんな状況になっていること は覆せない事実のようです。 各国首脳が導き出す指針に注目しつつ、日常の中で意識を持っ ていたいものです。  って、言うは易し、行なうは…。 (橋) □■今号の一冊・・・ 『この写真がすごい2008』 http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255004396/ --------------------- ◆次号は7月16日配信予定です。 ◆当メルマガへのご意見・ご感想は担当の橋本までお寄せください。 → hashimoto@asahipress.com ◆バックナンバーはこちら → http://ee.asahipress.com/eeclub/easy.html ────────────────────────────── メルマガの『文字や記号がずれて読みづらい』方は・・ Outlook Express をお使いの場合、 (オプション)-(読み取り)-(フォント) で[MS明朝]や[MSゴシック]に設定して下さい。Mac や他のメー ラーをお使いの場合Osaka等幅など「等幅フォント」をお勧めします。 ────────────────────────────── ◆当メールは、EE Club にご登録いただき、配信を希望された方に 配信しています。 当メールの配信先変更/配信中止は、下記 URL よりログインして いただき、「会員情報変更」にてお願いします。 https://club.asahipress.com/ 朝日出版社:営業部 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-3-5 TEL  :03-3263-3321 FAX  :03-5226-9599 E-MAIL:eeclub@asahipress.com http://www.asahipress.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━