**** 2008/07/16 ******************************************** ☆★ EE Club mail magazine ★☆ ~英語を“楽習”しましょ~ ******************************************** 第85号!***** 朝日出版社HP、新連載ブログ「本屋さんのブックレビュー」が 開始されました。日々、棚を作り上げていく本屋さんが、本当に 面白い!と思った一冊をご紹介します。ぜひアクセスください! ⇒ http://blog.asahipress.com/bookreview/ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ contents ━━━━ 【1】 大竹昭子×森山大道トークライブ開催! 【2】 マーク・ピーターセンさん、インタビュー裏話 【3】 連載= Express Yourself サミットのキーワード“share” 【4】 あとがき ♯本屋さんのブックレビュー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 【1】 大竹昭子×森山大道トークライブ開催! プロ・アマ問わず3歳から90歳まで、本や雑誌、展覧会、ポスター からインターネットまで、 この1年に見つけた日常をゆさぶる100 の写真を収録した、『この写真がすごい2008』。 ⇒ http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255004396/ 刊行を記念しまして、編著者の大竹昭子さんと盟友の森山大道さん によるトークライブを開催します。 ■ 2008年7月27日(日)15:00~16:00 ■ 入場無料 ※どなたも自由にご覧になれます。 ■ 会場:TSUTAYA TOKYO ROPPONGI http://www.tsutaya.co.jp/shop/tenpo.zhtml?FCID=2000 50┃名┃様┃先┃着┃ ━┛━┛━┛━┛━┛ 編著者と森山大道さんの直筆サイン入『この写真がすごい2008』 を当日会場にて販売いたします。サイン本の優先予約を、電話と 店頭にて受付中です。 ■ お問合わせ+サイン本の予約:   TSUTAYA TOKYO ROPPONGI TEL:03-5775-1515  受付時間:7:00~早朝4:00 写真が好きな人も、写真の見方がわからないという人も、写真が気 になってしまう人も、写真がなくても生きていけるという人も…。 ぜひ、散歩のついでにふらっとお立ち寄りください。 ⇒ http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/sample/9784255004396/ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 マーク・ピーターセンさん、インタビュー裏話 EE8月号の巻頭インタビューは、明治大学教授のマーク・ピーター センさんです。日本人の間違った英語を辛らつに、また、ときには ユーモアたっぷりに論評する著作でご存じの方も多いと思います。 著作を拝読すると、先生の見事な日本語に驚かされますが、日本語 習得までの道のりは並たいていの努力ではありませんでした。その 詳細は本誌で紹介していますので、ぜひご一読を。 さて、ピーターセン先生は小津映画の大ファンで、ゼミの教材とし ていろいろな映画を使っているとのこと。映画をきっかけに、1人 でも多くの学生が英語を真剣に学んでくれれば、との願いも込めら れており、「自分が心から面白いと思っている内容の英語に没頭す れば、その英語は必ず自分の体の一部となる」と、エールを送って います。 …………………………… (以下、マーク・ピーターセンさんインタビュー) 台本のよくできた映画は優れた教材になります。実際に使える英語 が出てくる『ローマの休日』、『カサブランカ』などはいい教材で すし、最近のものなら言葉を重視したコーエン兄弟の『ファーゴ』 など、インディペンデント系の映画が多いですね。ちなみに小津映 画の脚本も練りに練ったもので、たいへんよくできています。英語 の字幕スーパーは全然なっていませんが……。アクション映画とか、 国際マーケットを前提とした大作映画では会話は重要視されていま せんから、教材には適しません。 授業で取り上げるのは、英語の特徴、イディオムの比喩(ひゆ)表 現、それから皮肉の表現とかですね。学校で習う教材の多くは教訓 ものとかつまらないものばかりで、皮肉やブラックユーモアはまず 出てきません。でもそうした部分が実際の英会話では非常に大きな 存在なんです。 映画は趣味によるところが大きいのですが、もし生徒が気に入れば 何回でも反復練習できますから、そのきっかけになるような映画を 選んでいます。 ★…---…---…---…---…---…---…---…---…---☆ CNN ENGLISH EXPRESS のホームページ! 英語上達に効果抜群のコンテンツが盛りだくさん! http://ee.asahipress.com/ ☆…---…---…---…---…---…---…---…---…---★ ▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 連載= Express Yourself      <ビミョ~>な日本語、英語で言ってみよう! 〔 第46回 ★ Summit English: CO2 の share、シャレにならないよ! by インド 〕 北海道で開催されたG8サミットの取材で一週間、洞爺湖にいまし た。湖畔の涼しさにやっと体が慣れてきたころ、東京に戻ると今度 は一気に厳しい暑さで、めまぐるしい議論の後はめまぐるしい気候 の変化に翻弄されています。 夏バテ、してませんか? ちなみに今週末は夏土用です。 さて、振り返ってみると、そのG8サミットで全体的なキーワード となった英語は ┏━━━┓ ┃share ┃ ┗━━━┛ でした。 二日目の会談で主要8カ国が出した「共同声明」= Joint Statement にあった次の一文が世界的な注目を集めました: ┌──────────────────────────── We seek to 【share】 with all parties to the UNFCCC the vision of, and together with them to consider and adopt in the UNFCCC negotiations, the goal of achieving at least a 50 percent reduction of global emissions by 2050,... └──────────────────────────── 外務省による和訳はこちら: ┌──────────────────────────── 我々は、2050年までに世界全体の排出量の少なくとも50%の削減を 達成する目標というビジョンを、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC) のすべての締約国と【共有】し、かつ、この目標を UNFCCC の下での 交渉において、これら諸国とともに検討し、採択することを求める └──────────────────────────── UNFCCC とはいわゆる「気候変動に関する国際連合枠組み条約」で、 2007年の段階でこれを批准した国は191カ国に及びますから、 共同 宣言の文書は、世界全体が50%削減に取り組んでゆくという、一見 するとかなり画期的なことをうたっています。 ご存じの通り、CO2 の削減に関しては、アメリカ、ヨーロッパ諸国、 そして発展途上国との間にそれぞれ大きなへだたりがあって、これ まで議論はひたすら平行線をたどってきました。 その溝を埋めて、どうやって「価値観を共有」= share the values、 するのかがサミットではポイントになったわけです。 ところが、このG8の共同声明をどう受け止めているのか新興諸国 の中核を担うインドに取材してみたところ、かなりの温度差があり ました。 声明が発表されてから3時間後、札幌で開かれたインドのメノン外 務次官が開いたブリーフ(press briefing) では、 メノン氏はこ の共同声明についてまずこう答えたのです: ┌──────────────────────────── I have not seen the joint statement yet, and I cannot comment on something which I haven't seen. I will be able to answer the question after going through the statement thoroughly. (共同声明にはまだ目を通していません、まだ見ていないものに  関してコメントすることはできません。  声明を熟読してからお答えすることができるでしょう) ※ go through ~ 文書などに目を通す +thoroughly で「すみずみまで目を通す」「熟読する」「精査する」 └──────────────────────────── なんと! これだけ先進諸国のメディアが上を下への大騒ぎをして いるというのに、「まだ読んでない」とは! でもそれこそが、新興経済諸国と先進国の間にある「気候変動」に 関する温度差をストレートに表しているとも言えます。 G8首脳会合と時を同じくして札幌では新興国G5による首脳会合 が開かれていて、そこでメインの議題となったのは costlier fuel and pricier food =「コストと価格が高くなる一方の燃料と食糧の問題」でした。 つまり、議論の優先順位が異なるのです: ┌──────────────────────────── G8 nations have placed the issue of climate change high on their agendas, which was not the case with the emerging economies. (主要八カ国では気候変動の議論の優先順位は高くされたが、  新興経済諸国ではそうではなかった) ※ agenda 議題  議題のうち、どの位置にあるかによって 「議論の優先順位」の高さ、低さを表現します。 └──────────────────────────── 「答えられない」と言ったメノン外務次官に対して、私は改めて共 同声明のポイントを要約し、このように聞きました: ┌──────────────────────────── Which, from India's standpoint up until now, must be unacceptable, isn't it? (それは、インドのこれまでの立ち位置からすれば、 認めることはできないはずのものですが、そうではありませんか?) ※ standpoint 観点・見方・視点・立脚点 └──────────────────────────── メノン次官は気候変動に関するインド政府のこれまでの姿勢を繰り 返し述べ、はっきりとこう答えました: ┌──────────────────────────── Naturally, any numerical target for the reduction of greenhouse gas is unacceptable for India. We have many other issues we must tackle such as poverty and rising food and oil price, and they are higher up on our agenda. (当然ながら、インドは CO2 削減のいかなる数値目標も認める  ことはできません。我々には、貧困や高騰する食糧・原油価格など、 他により優先順位の高い、取りくむべき問題があるのです) ※ greenhouse gas 温室効果をもたらす、 ということでいわゆる CO2 のこと。 環境問題においては CO2 はたいていの場合、  英語で greenhouse gas と表現されます。 └──────────────────────────── このやりとりを聞いていたインドの記者がブリーフの後、私に話し かけてきました。 ┌──────────────────────────── My view on the issue of climate change is not only my personal view, it 【is shared】 not only by all Indian citizens, but also by the citizens of all emerging nations. The developed nations have been producing greenhouse gas freely to get to where they are, and now they are telling us to reduce, when we are just about to start developing. And we think that is plainly unfair. Anyone in the developing nations would tell you that, it is an apolitical issue. (気候変動に関する私の意見は、すべてのインド市民だけでなく、  すべての新興国の市民にも【共有】されるものです。  先進国は今の状態に達するために好きなだけ CO2 を出してきて、  今になって、我々がやっと成長しようというときに減らせと言う。  これはただ単純に不公平だと思うのです。  発展途上国の人は誰だってそう言いますよ、  これは非政治的な問題です) ※ freely 自由に、十分に、たくさんに、支障なく ※ apolitical 政治に無関心な、無関係な └──────────────────────────── apolitical issue(非政治的な問題)、つまり、意見の対立が新興 国の間ではない、と言うのです。 なるほど改めてそう言われるとたしかに彼らの立場からするとそう なるのでしょう。つまり、インドなどからすれば、先進国の言って いることはやはり share(共有)できないのです。 その理由は、残り二つの share にあります。 それは、「分担・負担」という意味と、「分け前・取り分」という 意味です。 新興国からすれば、 ┌──────────────────────────── The developed nations have to do their 【share】 before telling us what to do on greenhouse gas. (先進国は、温室効果ガスに関して我々に指図する前に  自分たちが【やるべきこと】をやるべきだ) ※ do (somebody's) share, do (somebody's) share of work (誰々に)割り当てられた、相応の仕事をする 負担するべき分を負担する └──────────────────────────── そして、 ┌──────────────────────────── Give us our 【share】 of success! (我々にも成功の【取り分】を与えろ!) └──────────────────────────── というのが、やっと貧しさから抜けだそうとしている人々の心の叫 びなのでしょう。 「共有」と訳すと見えなくなる英語の share の奥深さを考えさせ られるサミットでした。 ◇◆執筆者プロフィール◇七尾藍佳◇◆ 日本テレビ系列、『NEWS ZERO』フィールドキャスター。 東京大学教養学部卒。 ワシントンDC生まれ。 東京大学在学中には、チリ、カトリカ大学へ交換留学。 公式ブログ→ http://ameblo.jp/nanao-aika/ ウェブコラム「Salut!」→ http://www.bloomingmarket.com/ (リンク先ページ左下【Salut! Nana's Fashion Tribute】より) 公式ホームページ→ http://www.blooming-net.com/ ◆当連載へのご意見・ご感想は下記までお寄せください。  → yonezawa@asahipress.com ◇『Express Youself』WEB 版はこちら【★ URLが変わりました!】  → http://blog.asahipress.com/express_yourself/ ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 あとがき 冒頭でも紹介していますが、「本屋さんのブックレビュー」と 題したブログが朝日出版社HPにて連載開始となりました。 作家や評論家ではない、日々流通される本と現場で向き合って いる本屋さんによる、本当に面白かった一冊・自分の棚から外 したくない一冊を紹介していく連載ブログです。 月に2回ほど更新していく予定ですので、皆さんぜひチェック してみてください。(橋) □■新連載開始!・・・ 『本屋さんのブックレビュー』 http://blog.asahipress.com/bookreview/ --------------------- ◆次号は8月6日配信予定です。 ◆当メルマガへのご意見・ご感想は担当の橋本までお寄せください。 → hashimoto@asahipress.com ◆バックナンバーはこちら → http://ee.asahipress.com/eeclub/easy.html ────────────────────────────── メルマガの『文字や記号がずれて読みづらい』方は・・ Outlook Express をお使いの場合、 (オプション)-(読み取り)-(フォント) で[MS明朝]や[MSゴシック]に設定して下さい。Mac や他のメー ラーをお使いの場合Osaka等幅など「等幅フォント」をお勧めします。 ────────────────────────────── ◆当メールは、EE Club にご登録いただき、配信を希望された方に 配信しています。 当メールの配信先変更/配信中止は、下記 URL よりログインして いただき、「会員情報変更」にてお願いします。 https://club.asahipress.com/ 朝日出版社:営業部 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-3-5 TEL  :03-3263-3321 FAX  :03-5226-9599 E-MAIL:eeclub@asahipress.com http://www.asahipress.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━