India Joins the Club
海軍大国の仲間入りへ2022年9月2日、インド南部のケララ州で航空母艦「ビクラント」の就役式典が行われた。建造と試験航海に10年以上もの年月が費やされたこの空母は、全長262メートル、排水量は約4万トンで、1600人が乗船可能だという。インド政府がこの国産空母を待ち望んでいた背景にはどのような事情があるのか。CNNが関係者へのインタビューも交えてリポートする。
初の国産空母が発したメッセージとは
原文
A strong message sent out to theworld from the sprawling deck ofIndia’s largest domestically builtwarship: after a 17-year wait, India’sfirst indigenous aircraft carrier,Vikrant, which means “courageous”or “victorious” in Sanskrit,has been inducted into its navy,catapulting the South Asian nationinto a select group of countriesthat have built their own advancedand complex battleships.“In the past, in the Indo-Pacificregion and the Indian Ocean,security has been neglected. Butnow, this region is a major securitypriority for us.” (Narendra Modi,Indian prime minister, through interpreter)
キーワード
- join the club
《タイトル》仲間入りする
- send out A to B
AをBに出す、送る
- sprawling
広がった、だだっ広い、広大な
- deck
甲板、(船の)デッキ
- domestically
国内で
- warship
軍艦、戦艦
- wait
待ち時間
- indigenous
固有の、国産の
- aircraft carrier:
航空母艦、空母
- courageous
勇敢な、勇気のある
- victorious
勝利の、勝利を得た
- Sanskrit
サンスクリット語、梵語
- induct A into B
AをBに就役させる
- navy
海軍
- catapult A into B
突然AをBの一員にする、昇進させる
- select group
選抜集団、選ばれたグループ、会員限定の集団
- advanced
高度な、進歩した、先進的な
- complex
複雑な、入り組んだ
- battleship
戦艦、軍艦
- the Indo-Pacific region
インド・太平洋地域
- the Indian Ocean
インド洋
- security
安全保障、安全
- neglect
~を軽視する、無視する、放置する
- priority
優先事項、優先されること
翻訳
インド最大の国内製の戦艦上に大きく広がるデッキから世界に向けて発信された、力強いメッセージです。17年の時を経て、インド初の国産空母「ビクラント」は、サンスクリット語で「勇敢な」とか「勝利の」という意味ですが、同国の海軍に就役し、それによってこの南アジアの国(インド)は、高機能で複雑な戦艦を自国で建造している数少ない国々の一団に一躍仲間入りすることになりました。 「過去、インド太平洋地域ならびにインド洋において、安全保障はないがしろにされてきました。しかし今や、この地域は、われわれにとって安全保障上の重要な優先地域となっています」(ナレンドラ・モディ インド首相 通訳者を介して)
近隣諸国への抑止力となるか
原文
Vikrant’s deck, the size of twofootball fields, can operate up to 30aircraft, including MiG-29K fighterjets. The carrier will also serve as abase for helicopters and defensesystems, including surface-to-airmissiles. According to defenseanalysts, once Vikrant’s air wingbecomes fully operational, itsfirepower will impress in the distantreaches of the Indian Ocean.But there has been a furtherdelay. The Indian Navy says it’lltake another 15 months for Vikrantto be fully operational.“The ship can, like any otherwarship, be utilized to projectpower to ensure safety and securityat high seas and also provide credibledeterrence with extreme visibility.”(Vice Admiral M. A. Hampiholi,Southern Naval Command, Indian Navy)
キーワード
- operate
~を運用する、展開する
- MiG-29K
ミグ29K ▶ロシア航空機製作会社「MiG」によって設計された艦載型戦闘機。
- fighter jet
戦闘機
- serve as
~として機能する、~としての役目を果たす
- defense system
防衛体制、防衛システム
- surface-to-air missile
地対空ミサイル
- air wing
航空団
- operational
稼働している、機能する、運航できる
- firepower
射撃能力、兵器の火力
- impress
強い印象を与える、強く認識させる、感銘を与える
- reache
領域、地帯、水域
- delay
遅延、延期
- utilize
~を利用する、活用する
- project power
力を誇示する、国力・権力をはっきり示す
- ensure
~を確かにする、保証する、確保する
- (the) high seas
公海、外洋
- credible
信頼できる、説得力のある、確実な
- deterrence
(戦争などの)抑止、抑止力
- visibility
認知度、存在感
- vice admiral
海軍中将、海将、副提督
- command
司令部、統括部隊
翻訳
「ビクラント」のデッキは、サッカー場2つほどの大きさで、ミグ29K戦闘機を含め、最大30機の航空機を運用させることができます。この空母はまた、ヘリコプターや、地対空ミサイルを含む防衛システムの基地としても機能することになるでしょう。防衛アナリストによると、「ビクラント」の航空団が全面的に機能すれば、その攻撃能力はインド洋の遠く離れた海域でも強い存在感を示すであろうとのことです。 しかし、さらなる遅れが生じています。インド海軍によると、「ビクラント」が完全に機能するにはもう15カ月かかるであろうとのことです。 「この船艇は、他のあらゆる戦艦と同様、公海における安心と安全の保証を目的に、力を誇示するべく活用することができますし、また、極めて高い注目度によって確固たる抑止力をもたらすことができるのです」(M・A・ハンピホリ海軍中将 インド海軍 南海軍司令部)